戦争社会学研究会 第2回研究大会 プログラム

戦争社会学研究会 第2回研究大会プログラム

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2011年
3月12日(土)
  研究報告
1. 木下直子(九州大学)  午後1時00分〜2時15分
「被害者性をめぐる機制――日本人「慰安婦」排除の実践について」
本報告では、<「慰安婦」問題>が社会問題化する中で、日本人「慰安婦」
がいかに「被害者」の位置から排除されてきたかイデオロギー作用の観点か
ら考察する。主に1991-1993年の朝日新聞記事と雑誌記事を中心とした資
料を扱う。

2. 水越紀子(社会理論・動態研究所)  午後2時30分〜3時45分
「戦時下の女性の性――広島における明治期の新聞記事を素材として」
広島県の軍事都市化政策は日清戦争開戦によって本格化した。政府の顕官、
出征兵士たちのほか軍需物資の調達輸送などが集中し、人口・物の往来が頻
繁となり軍事都市として隆盛した。それと同時に拡大したのが遊郭であった。
本報告では明治期の新聞記事から遊郭の「娼妓」たちの生活を掬い取り、戦
争と性の問題について考察する。

3. 石原昌家(沖縄国際大学)  午後4時00分〜5時15分
「いま、問われる戦争体験の継承」
二度と戦争を起こさないために」と説得して、膨大な戦争体験の証言やその
研究が集積されてきた。しかし、戦争の悲惨さ・平和の尊さを伝えるだけで
は、戦争への道を阻むことはできなかった。戦争が起きるメカニズムを研究
して、それを共有することもできなかった。戦争の悲惨さを知れば知るほど、
二度とそのような目に遭わないために、強力な軍備が必要だという観念が生
まれている。つまり、非武装・非軍事による平和ではなく、軍事による平和
維持という「好戦的」風潮が形成されてしまった。その原因と課題を報告し
たい。

司会 粟津賢太(南山宗教文化研究所) 

懇親会                   午後6時00分〜8時00分 

3月13日(日)
研究報告
1. 長谷川一(京都府立大学)  午前9時00分〜10時15分
「日中戦争下における兵士像の一考察―─戦争文学を中心に」(仮)
日中戦争下、戦争文学が社会に与えた影響は非常に大きい。本報告は、戦争
文学を分析することで、当時の社会に提供された兵士像、または戦争像がど
のようなものであったかを明らかにする。

2. 安岡健一(日本学術振興会/大阪大学)  午前10時30分〜11時45分   
「『国民』であることをめぐる闘争――戦後地域社会(京都)における引揚者運
動を事例に」
総力戦体制下における「強制的平準化」をつうじた国民統合の達成は、今日
の歴史研究において過大評価されているのではないだろうか。この疑問が本
報告の出発点である。本報告では、敗戦直後京都地域における引揚者による
社会運動を対象とする。引揚者たちの集団化の論理とそこでなされる主張の
検討を通じて、この時代において「国民」として存在するということをめぐ
る社会的な争いの跡を辿りたい。それは意識される均質な存在としての「国
民」と、現実の「国民」内部にはらむ不均質さの間にある落差を問う、とい
うことであると同時に日本人にとっての植民地経験、戦争犠牲とはなんだっ
たのかを問う試みでもある。

司会 石原 俊(明治学院大学)

総会                  午前11時50分〜12時40分  

※ 発表に際し、パワーポイント等をご使用の場合は、ノートPCをご持参ください。
DVD、ビデオ、書画カメラは使用可能です。
ただし、CPRM対応の機器が必要な場合は、事前に福間 yfukuma◆ss.ritsumei.ac.jp
までご連絡ください。(◆をアットマークへ変更)

会  場
立命館大学衣笠キャンパス 清心館525教室
 京都市北区等持院北町56-1
※キャンパスマップおよびアクセスマップをご参照ください。

日時:3月12日(土)、13日(日)
 3月12日 研究発表:午後1時00分~午後5時15分、懇親会:午後6時00分〜8時00分  
 3月13日 研究発表:午前9時00分~午前11時45分、総会:午前11時50分~12時40分

参加費
一般会員   2000円(大会費1000円+年会費1000円)
一般非会員 1000円(大会費1000円)
学生会員   1500円(大会費500円+年会費1000円)
学生非会員   500円(大会費500円)
別途懇親会費(希望者のみ)

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会場担当連絡先 yfukuma◆ss.ritsumei.ac.jp (◆をアットマークへ変更)