戦争社会学研究会の設立の呼びかけ
アジア・太平洋戦争(こう呼ばせていただきます)が終わって64年、戦争体験の風化が言われながら、他方でそれが記憶の中で甦り、継承され、また新たに構築されています。戦争に対してどのような態度をとるかは、日本国民のホットなトピックであるだけではなく、日本社会学においても、すでに少なからぬ方々が、戦争体験(戦争に関わる人間的事象)について、研究を蓄積されています。戦争体験は、事実(事実とは何かを含めて)に関わる諸問題を提起しているのみならず、「歴史・社会・人間」の研究に重くかつ深い諸問題を提起し、社会学を学ぶ者にそれらへの応答を迫っています。社会学徒は、戦争に対する責任に、歴史的理性と学術的研究をもってどのように応答すればいいのか。戦争と人間を研究する先輩たちの胸には、このような想いが去来したのではないでしょうか。
このような認識にたって、私たちはここに、戦争と人間の社会学的研究に関心を寄せる方々に戦争社会学研究会の設立を呼びかけたいと思います。私たちは、戦争と人間の社会学的研究に携わる全国の方々が一堂に会して議論を闘わせ、交流する場がないことを残念に思っています。そのような場(学会さえ)はどうしても必要だと思っています。しかも、私たちが研究会の設立を呼びかける理由は、それだけではありません。
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