戦争社会学研究会第1回研究大会のお知らせ

戦争社会学研究会の第一回研究大会が以下の要領にて開催されます。
参加をご希望の方は事務局までお知らせください。
運営委員宛メールフォームはこちら。
日  時
2010年3月13日(土)・14日(日)
会  場
明治大学駿河台校舎アカデミーコモン309F室 
JRお茶ノ水駅をお茶ノ水橋方向で下車。明大通りを100m南下。右手の建物
アクセス情報(明治大学サイト)
日  程
13日(土) 研究報告: 午後1時00分〜5時15分
       懇親会: 午後6時00分〜8時00分
14日(日) 研究報告: 午前9時00分〜11時45分
       総会: 午前11時50分〜12時40分  
参加費
一般会員   2000円(大会費1000円+年会費1000円)
一般非会員 1000円(大会費1000円)
学生会員   1500円(大会費500円+年会費1000円)
学生非会員   500円(大会費500円)
別途懇親会費(希望者のみ)
プログラム
PDF版はこちら。

3月13日(土)
研究報告                       司会 野上 元(筑波大学)
1. 坪田典子(文教大学)         午後1時00分〜2時15分
「戦後補償訴訟と加害者性」(仮)
冷戦構造が崩壊した90年代以降、日本が侵略、支配した各地の被害者の人々が、日本の戦後責任問題を問い始め、現在までに80件を超す戦後補償訴訟が提起されている。しかし、結果として、被害者が求めたような形での戦後補償はいまだ実現しておらず、日本は、被害者の人々からの責任を問う声に応答できないままでいる。本報告では、戦後補償訴訟における典型的かつ象徴的な一つの事例をとりあげて、被害者の側の要求と加害者性について議論する。
2. 粟津賢太(南山宗教文化研究所)    午後2時30分〜3時45分 
 「沖縄における遺骨収集の現代的展開と集合的記憶─媒介的行為論としてのナラティヴ―」
本報告は沖縄における遺骨収集の現代的展開と、そこにみられる語りを集合的記憶研究の枠組みから理解しようとするものである。戦後64年が経過した沖縄では現在でも遺骨収集の努力が続けられている。とりわけ米軍から返還された土地や再開発予定地における作業は喫緊の課題である。また、今後80年はかかると推測されている不発弾処理の問題もある。戦後沖縄における遺骨収集は宗教団体をはじめとする様々な団体や個人によってヴォランティアなものとして担われてきた。現代の沖縄において、そうした作業を支える人々の活動と、そこにみられる語りを、集合的記憶研究の中に位置づけ、理解を提示する。
3. 一ノ瀬俊也(埼玉大学)        午後4時00分〜5時15分 
「占領終結後の戦死者遺児による靖国神社集団参拝」
  
戦時中、各県の軍人援護会(半官半民の軍事援護団体)支部は、戦死者遺児の靖国神社集団参拝を行っていた。それは、前線将兵に対して万一戦死しても遺児はかくも優遇されるということを示し、その士気の維持を図るという目的があった。戦後、といっても占領終結後の1950年代、ふたたび各県による遺児の集団参拝が復活した。本報告では、これに参加した遺児たちの感想文集を検討し、彼・彼女たちが自らの父親を奪った戦争にいかなる意味を見いだしていたのかを問う。それは、ともすれば侵略か自衛かという二項対立で語られがちな、戦後社会における〈先の戦争観〉の別の一面を浮き彫りにする作業にほかならない。
懇親会                   午後6時00分〜8時00分 
  
3月14日(日)
研究報告                   司会 福間良明(立命館大学)
1. 李榮眞(ソウル大学)          午前9時00分〜10時15分
「朝鮮人特攻隊員という問い」(仮)
本研究では戦後日本の慰霊と記憶を理解するもう一つの窓として、日本と韓国両社会の中で、「朝鮮人特攻隊員」という存在が表象・記憶される過程について考察したい。現在、知覧の特攻平和会館の中には11人の朝鮮人特攻隊員の遺影が展示されており、記念館の敷地には彼らの慰霊の性格を持つ「アリランの碑」という記念碑が建てられている。また最近作られた映画(「ホタル」や「俺はあなたのためにこそ死ににいく」)の中でも、出撃の前夜、涙を流しながらアリランを歌った朝鮮人特攻隊員のエピソードがかなり重要な一部として映られている。60年前に死んだ朝鮮人特攻隊員が今、日本社会に再び現れたのはなぜだろうか。本研究では、彼らが今まで日本社会の大衆文化の中で消費されている様子やその意味を明確にする一方、彼らの存在が現代の韓国社会に問いかける意味についても考察したい。特に、最近韓国のある地域に特攻慰霊碑を建てようとする試みはその挫折を巡る一連の事件を「朝鮮人特攻隊の帰還」という脈略で検討したい。
2. 山本昭宏(京都大学)         午前10時30分〜11時45分 
「戦後日本における自然科学者の核エネルギー認識─科学専門誌『自然』を中心に―」
1945年から、原子力の研究開発体制が確立し、実際に運用され始める1965年までの自然科学者の核エネルギー認識を、中央公論社発行の『自然』を中心に沿えて、扱うつもりでいます。
総会                    午前11時50分〜12時40分