共催シンポジウム
共催シンポジウム

共催シンポジウム

シンポジウム

平和ミュージアムの挑戦―記憶と対話を通じた戦争によるトラウマの癒し

 

趣旨:

戦争の傷跡は世代を超えて受け継がれ、個人やコミュニティに深い影響を及ぼし続けている。本シンポジウムでは、戦争、集団的・文化的トラウマ、記憶の継承について考え、過去を直視し、傷ついた記憶を共有しながら、平和への道を模索するための対話を深めたい。

日時:12月21日(土) 13時30半~17時
場所:衣笠キャンパス創思館カンファレンスルーム

 

13:30 開会
司会 村本邦子(立命館大学大学院人間科学研究科教授)
挨拶 君島東彦氏(国際平和ミュージアム館長/立命館大学大学院国際関係研究科特命教授)
13:45-15:05 基調講演

「アジア太平洋戦争による集団的・文化的トラウマの癒しにおける平和ミュージアムの役割」(逐次通訳)

講師 Dr. Eugen Koh (精神科医、セント・ヴィンセント病院シニア・コンサルタント、立命館大学人間科学研究所客員研究員)
概要

集団的・文化的なトラウマの癒しには、人々が安全な空間で集まり、何が起こったのか、それが集団や国として自分たちにどのような影響を与えたのかを振り返り、今感じていることを受け入れることが必要である。平和博物館は、人々が共に癒しを得るための重要な空間となり得る。そのような癒しの場の特徴を説明し、中立的な立場を維持し、展示がプロパガンダにならないようにするために学芸員が直面する課題について論じる。

プロフィール

精神科医、セント・ヴィンセント病院シニア・コンサルタント。立命館大学人間科学研究所客員研究員。紛争解決や平和構築など集団的・文化的トラウマから生じる問題に関わり、国際的に活躍中。「日本における第二次世界大戦による長期的影響に関する学際的シンポジウム」の設立メンバーでもある。

15:05-15:15 休憩
15:15-:16:25 シンポジストによる話題提供
① 15:15-15:45 「資料を伝える、展示するー平和ミュージアムの仕事」
田鍬美紀氏(立命館大学国際平和ミュージアム学芸員)
概要

4万点をこす国際平和ミュージアムの収蔵資料。常設展示されるのはそのごく一部であるが、それらはどのように残されてきたのか、これからどのように伝えられていくのか。公に開かれた展示という場で資料が果たす役割と、資料を後世へ伝えていく博物館の活動を通じて、資料に込められた人々の思いを紐解く。

プロフィール

立命館大学国際平和ミュージアム学芸員。龍谷大学文学研究科国史学専攻修士課程修了。国際協力機構青年海外協力隊にてヨルダン、カラク城考古学博物館派遣、公益財団法人鳥取市文化財団・鳥取市歴史博物館等の勤務を経て2017年より現職。

② 15:45-16:25 「失われた戦争の記憶・入り組んだ加害と被害~製作中の映画から」
原義和氏(映像ディレクター/映画監督)
概要

映像による歴史の伝承はトラウマの癒しにつながるのか。戦争にまつわる記憶は常に沈黙と共にある。中国大陸で侵略に手を染めた兵士の多くは、固く口を閉ざすことでトラウマを沈殿化させ、本人も社会もその癒しの機会を失い、むしろ蝕まれてきた。戦争トラウマは現代にも深く影を落とす。失われた記憶を掘り起こし映像で社会に共有することは、トラウマの真の解決や癒しにつながると信じ、映画を製作する。

プロフィール

1969年愛知県名古屋市生まれ。2005年より沖縄を生活拠点にドキュメンタリー番組の企画制作を行う。主な制作番組:「戦場のうた~元“慰安婦”の胸痛む現実と歴史」「Born Again~画家 正子・R・サマーズの人生」など。2021年には映画「夜明け前のうた~消された沖縄の障害者」を劇場公開。

16:25-17:00 ディスカッション

 

参加費無料・事前申し込み不要

事前に立命館大学国際平和ミュージアムの観覧をお勧めします(入館料400円)。

チラシ(PDF)はこちらです

共催:立命館大学大学院人間科学研究科、国際平和ミュージアム、日本における第二次世界大戦の長期的影響に関する学際的シンポジウム
後援 立命館大学人間科学研究所

本シンポジウムは、りそなアジア・オセアニア財団2024 年度国際学術交流助成の助成を受けて実施されます。