2021年に行われた連続シンポジウムの内容をもとに編集された論文集が出版されました。
また、2023年6月にはEugen Koh氏の来日に合わせ、この出版を記念したイベントも開催しました。
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竹島正・森茂起・中村江里(編)
『戦争と文化的トラウマー日本における第二次世界大戦の長期的影響』
日本評論社、2023年4月。
ISBN 978-4-535-58772-4
判型 A5判
総ページ数 352ページ
定価:税込 3,520円(本体価格 3,200円)
内容紹介
現在にまで及ぶ日本の戦争体験を「文化的トラウマ」の視点から、歴史学、臨床学、ジャーナリズム等の協働により学際的に検討する。
目次
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第1部 日本における第二次世界大戦の経験
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第1章 [実践報告]第二次世界大戦と日本に関するドキュメンタリー番組に取り組んで
……東野 真
第2章 戦争はどのようにして拡大し、何が起きたのか:日本の中国侵略から太平洋戦争への道
……伊香俊哉
第3章 労働力動員からとらえる日本の戦時体制
……佐々木啓
第4章 「戦争孤児」たちが最も苦しんだのは「親戚」「家族」
……本庄 豊
第5章 かろうじて語られること・それでも語られないこと:四つの論考から考える
……宮地尚子
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第2部 日本の戦争への対応
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第6章 [実践報告]メディアの戦争責任に関する断章:国策通信社の末裔として絵本『かわいそうなぞう』を読む
……佐々木央
第7章 戦時下の軍人の妻の立場について:一九四三・四四年の軍事援護学会における議論
……一ノ瀬俊也
第8章 戦死者はどのように扱われたのか?:日本における海外戦没者処理の展開
……浜井和史
第9章 追悼の形式:悲劇的な出来事と文化的トラウマ
……粟津賢太
第10章 戦後日本の「喪の不能」と神話的思考:恥と罪悪感のあいだ
……荻本 快
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第3部 トラウマとポジショナリティ:
戦争の被害者/加害者としての日本
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第11章 [実践報告]慰安婦被害者の聞き取り調査という体験から気づかされたこと
……岡 檀
第12章 「いけにえの島」における住民と兵士の相克、そして沖縄戦PTSDの発見
……蟻塚亮二
第13章 日本軍兵士と「加害者のトラウマ」
……中村江里
第14章 なぜこんな目に遭わなくてはならなかったのか:原爆被害者の苦しみとその意味の追求
……根本雅也
第15章 コミュニティ心理学からみたトラウマ:四つの論考から考える
……川野健治
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第4部 第二次世界大戦の長期的影響
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第16章 [実践報告]日中戦争によるトラウマの世代間連鎖と修復の試み
……村本邦子
第17章 第二次世界大戦のメンタルヘルスへの影響:自殺に焦点を当てて
……竹島 正
第18章 「身体化された軍隊経験」、「復員兵の子」というポストメモリー
……蘭 信三
第19章 なぜ日本人は戦争体験をオープンに語り、経験をたどることができないか
……森 茂起
第20章 沖縄戦の記憶と「沈黙の共謀」:四つの論考から考える
……北村 毅
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第5部 連続シンポジウムへの応答
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第21章 トラウマを学びつつ、旧満州に渡った女性たちの語りを振り返る
……杉山 春
第22章 トラウマ記憶の抑圧・否認をめぐる文化的構造:表象文化論および映像研究の立場から
……角尾宣信
第23章 海外の精神科医の視点から:戦争で反対の立場にいた者の子孫として
……キャリー・チェン
第24章 日本の第二次世界大戦のトラウマを癒す:世代間、集団的、文化的観点から
……オイゲン・コウ