第16回戦争社会学研究会大会 開催のお知らせ
■第16回戦争社会学研究会大会■
日時:2025年6月21日(土)12:30-18:00(開場は12:00)
6月22日(日) 9:30-16:00(開場は9:00)
会場:早稲田大学早稲田キャンパス 16号館106教室・107教室
・アクセス:https://www.waseda.jp/top/access/waseda-campus
(東京メトロ 東西線 早稲田駅から徒歩5分)
・会場図
開催方式:今回はオンライン配信をせず、対面のみでの開催となります。
参加費:対面 会員 2,000円、非会員 3,000円
※懇親会(軽食・立食式)をキャンパス内(大隈ガーデンハウス2階)で開催予定です。参加者は申し込み時にお知らせください。費用等の詳細は別途ご案内します。
参加申し込み:今年度より、参加申込方法がPassMarketからPeatixに変更となりました。
こちらのリンクから6月10日(火)23:59までに申し込んでください。申込後の返金はいたしません。期限内にチケットをご購入されていない方の参加には、各券種区分について1,000円を加算した金額をいただきます。
問い合わせ先:ssw.plac@gmail.com(大会事務局)
・研究会に入会を希望される方は入会案内をご確認のうえ、研究会事務局(ssw.adm@gmail.com)までご連絡ください。新規入会者が大会に会員価格で参加するには、大会参加申し込み時点で入会申し込みと年会費納入をしている必要があります。
・会員の方は2025年6月10日までに2025年度会費を必ず納入してください。期限までに2025年度会費が納入されていない場合は非会員価格になりますのでご注意ください。2025年度会費の納入状況がわからない場合は、研究会事務局(ssw.adm@gmail.com)までご連絡ください。
・パスマーケットが利用できない国にお住まいの方は、 大会事務局(ssw.plac@gmail.com)にご連絡のうえ、郵便振替にて参加費をお支払いください。
◉ 6月21日(土)
開場(12:00)
開会あいさつ(12:30-12:40)
個人報告(12:40-15:30)
106教室 司会:望戸愛果(静岡県立大学)
1.千葉咲希(同志社大学・院)
「父兄会/家族会が果たす役割──自衛隊協力三団体として」
2.渡邊信洋(陸上自衛隊)
「陸上自衛隊幹部自衛官の私的サークル誌──『陸戦研究』が担った役割」
3.児玉谷レミ(一橋大学)
「募集広報か一般広報か──自衛隊広報の男性表象の差異に着目して」
4.岩田英子(防衛研究所)
「WPS履行がもたらす軍隊での女性の現状、可能性、そして、限界」
107教室 司会:佐藤信吾(大妻女子大学)
5.加藤直(聖心女子大学・院)
「アジア・太平洋戦争とNHK──2000年前後のドキュメンタリー制作における戦争観の変容」
6.髙原由妃
「創り上げられた戦没詩人 竹内浩三」
7.篠原真史(佛教大学・院)
「ライフヒストリー研究に社会的世界論を適用することの可能性を考える──満州からの引揚げを体験した元教員のライフヒストリーを通して」
8.伴野崇生(慶應義塾大学)
「戦争とことば──2022年2月以降のウクライナ語とロシア語」
トークセッション「戦死者はいかにして〈我々の死者〉たりうるか?」(16:00-18:00)
登壇者:大澤真幸(社会学者)、井上義和(帝京大学)
◉趣意
戦後80年と加藤典洋「敗戦後論」30年の節目の年に、社会学者の大澤真幸氏とともに、戦死者の社会的位置づけについて考えたい。大澤氏は『我々の死者と未来の他者』(集英社インターナショナル)において〈我々の死者〉という概念を軸に大変刺激的な議論を展開している。戦後80年とは、私たちが過去の戦死者との関係をうまく結べないまま経過した時間でもある。その帰結とは。またどうすれば結び直せるのか。『未来の戦死に向き合うためのノート』で戦死者の宙吊り問題を提起した井上義和が対話の相手を務める。
懇親会(18:30-20:30)
◉6月22日(日)
開場(9:00)
個人報告(9:30-12:20)
106教室 司会:清水亮(慶應義塾大学)
9.高橋智香(NewsPicks)
「中島飛行機は武蔵野市に何をもたらしたか?──軍事工場跡地の再開発と記憶の継承」
10.髙橋奏音(お茶の水女子大学・院)
「米軍基地周辺地域における「パンパン」排除の考察──国立町文教地区指定運動の〈敵〉分析から」
11.塚原真梨佳(立命館大学)
「戦後日本の防衛産業の(再)出発──占領期から高成長期にかけての主要防衛産業企業の言説分析」
12.柳原伸洋(東京女子大学)
「19世紀後半~20世紀初頭のドイツにおける記念碑と2つの「近代性」──戦争記念碑から戦士記念碑へ」
107教室 司会:浜井和史(帝京大学)
13.大薗佳純(國學院大學・院)
「戦時期日本の食料政策と陸軍経理組織──社会へのアプローチを中心に」
14.松本昂也(立命館大学・院)
「陸軍中将酒井鎬次の戦後構想」
15.李貞善(東京大学・院)
「戦争捕虜の「尊厳」を問い直す──朝鮮戦争期におけるジュネーヴ条約の適用」
16.小林和夫(創価大学)
「日本占領期ジャワにおける「南方科学」の推進──ジャワ軍政監部科学術室の調査・研究を中心として」
シンポジウム「原爆研究を拓く──「原爆アート」を手掛かりとして」(13:30-16:00)
◉趣意
2025年、原爆投下から80年をむかえる。特に前年の被団協のノーベル平和賞受賞もあり、原爆研究がより注目を集める年となることが予想される。しかし、原爆研究の対象と方法については、どこか“お馴染み”のものになってきたように感じられることがしばしばある。つまり、原爆に関わる対象(被爆者の語りであったり、モニュメントであったり、メディア表象であったり・・・)と、方法(ライフストーリーであったり、歴史社会学であったり、言説分析であったり・・・)が、どこか固定化され、“なんとなく予想ができる”ものになっているのである。
無論、これは原爆研究の豊かな蓄積に因るものであり、従事してきた研究者たちに最大限の敬意が表されるべきである。だが、本シンポジウムでは、それら“お馴染み”の原爆研究の対象と方法をなぞるというよりは、新しいフィールドを積極的に開拓してみたい。いわば、“原爆×〇〇”を提示する試みである。特に本シンポジウムでは、“原爆×アート”の領域を(手探りながら)開拓してみたい。
周知のように、多くのアーティストによって原爆をめぐるアート実践が試みられてきた。丸木位里・丸木俊の大作「原爆の図」は国内外で衝撃を与えた。近年の例を挙げるなら、広島の路面をフロッタージュの手法で擦りとり、広島の記憶を掬い取る、岡部昌生のアート実践や、Chim↑Pomの原爆に関する一連のパフォーマンス活動「広島!」展、また被爆者の証言をデータ化・数値化した「声紋」を無数になぞり、書写して作品化した竹田信平の「α崩壊」などである。
こうした「原爆アート」とも言うべき様々な実践については、これまで戦争社会学が十分に受け止めてこなかった分野である。「原爆アート」は社会に何をもたらし、どのような展開を見せてきたのか。実践者からの報告や、現場での観察、研究者による考察を通して、原爆をめぐるアート・表現・情動などの観点から戦後史と現在を再考し、原爆研究に分け入る試みとしたい。そうすることで、本シンポジウムが、原爆投下80年の節目の年に、原爆研究の“未来”を拓く一端となれば幸いである。
報告
・岡村幸宣(原爆の図丸木美術館)
・半田颯哉(アーティスト、インディペンデント・キュレーター)
・東琢磨(音楽・文化批評家)
コメント
・仙波希望(札幌大谷大学)
・松永京子(広島大学)
司会:深谷直弘(長崎県立大学)
16:00 閉会あいさつ