『戦争社会学研究』バックナンバー

第7巻 『基地とウクライナと私たち』

戦争社会学研究会編 2023年6月 みずき書林

〇目次
〈特集1 軍事と環境〉
軍事と環境──〈国内戦線〉としての基地問題の一断面/長島怜央
アメリカ太平洋地域における軍事と環境――「グローカル軍事公害史」の構築に向けて/池上大祐
新規の軍事基地建設が環境や地域社会へ及ぼす影響に対する住民意識――馬毛島での米軍FCLP施設と自衛隊基地建設計画の事例から/朝井志歩
沖縄の負担軽減と世界自然遺産──米海兵隊北部訓練場の「過半」の返還をめぐって/池尾靖志
地球環境問題をもたらした核兵器――核被害の「無差別性」と「差別性」/竹峰誠一郎
太平洋島嶼地域から考えた「軍事と環境」――ナラティブを通して/ロニー・アレキサンダー

〈特集2 ウクライナ問題と私たち〉
ウクライナ問題は戦争社会学に何を問いかけるのか/根本雅也
戦争の段階論を超えて/石原俊
戦争と死者の記録化/浜井和史
広島からウクライナを考える/四條知恵
文化としての「戦争の言説」/山本昭宏
「恥から権力への転換」としてのウクライナ侵攻――主権的男性性概念を用いた考察/児玉谷レミ・佐藤文香
戦争へ向かう想像力にいかに抗うか――ウクライナ問題から想起される台湾有事/松田ヒロ子
祖国派宣言――捨て石をつくらない専守防衛のために/井上義和
戦争・平和・軍事に関する態度についての社会意識調査の必要/野上元
今、戦争社会学が「パブリック」に開かれるとき/柳原伸洋

〈特集3 『シリーズ 戦争と社会』から考える〉
『シリーズ 戦争と社会』を振り返って――企画者の一人として/野上元
あらたな“危機”のなかで読む、『戦争と社会』/成田龍一
「戦争社会学」から「戦争と社会」へ/上野千鶴子
「戦争と社会」と「戦争と平和」の狭間――『シリーズ 戦争と社会』の書評に代えて/西原和久
歴史学から戦争社会学を見る/吉田裕

〈投稿論文〉
「先輩」慰霊の形成と展開――広島市における原爆関連慰霊行事の通時的分析/渡壁晃
「ナショナルなもの」としての戦艦――戦艦建造事業を通じたナショナル・アイデンティティ構築過程の分析/塚原真梨佳

〈書評論文〉
清水亮『「予科練」戦友会の社会学:戦争の記憶のかたち』 準エリートの戦後と「記憶の形態」をめぐる問い/福間良明

〈書評〉
佐藤彰宣『〈趣味〉としての戦争: 戦記雑誌『丸』の文化史』 「趣味」が拓くミリタリー・カルチャー研究の地平/塚田修一
君島彩子『観音像とは何か 平和モニュメントの近・現代』 多様なものの交差点に立つ観音/西村明
土屋敦『「戦争孤児」を生きる   ライフストーリー/沈黙/語りの歴史社会学』 沈黙が破られるとき――語りの産出を問うライフヒストリー研究/野入直美

〈編集後記〉

第6巻 『ミリタリー・カルチャーの可能性』

戦争社会学研究会編 2022年6月 みずき書林

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〇目次
〈特集1 ミリタリー・カルチャー研究の可能性を考える〉
シンポジウム(青木深・吉田純・高橋由典・永冨真梨・須藤遙子・山本昭宏)
大会基調講演 戦争研究における「文化」という着想をめぐって(高橋三郎)

〈特集2 戦争体験継承の媒介者たち――ポスト体験時代の継承を考える〉
〈戦争体験継承〉の未来を探る――特集にあたって(根本雅也)
戦争体験/記憶の継承における他者との向き合い方――東京大空襲に関する調査の経験から(木村豊)
幼児期に被爆を体験した人の継承実践――生活史上の出来事の蓄積と紙芝居というメディアの特徴(深谷直弘)
歴史実践の越境性――消え行く媒介者としての趣味人コレクターの倫理(清水亮)
「届けてくれてありがとう」――佐藤冨五郎日記を託された戦友をめぐる歴史実践(大川史織)
記憶をつなぐ船・第五福竜丸――被ばく者大石又七との協働を通して(市田真里)
戦争体験の継承はどこにあるのか――特別展「8月6日」を振り返って(兼清順子)
〈環礁モデル〉試論――〈バトンリレー・モデル〉に替わるポスト体験時代のメタファー(岡田林太郎)

〈投稿論文〉
三八豪雪と自衛隊――一九六〇年代の自衛隊の印象に関する一考察(中原雅人)
軽音楽による南方文化工作の構想と実態――東宝映画『音楽大進軍』(一九四三年)の制作過程を手がかりに(福田祐司)

〈書評論文〉
海外戦没者と遺族を隔てる政治外交の壁――浜井和史『戦没者遺骨収集と戦後日本』(田中悟)
戦争社会学と宗教研究の架橋のために――島薗進・大谷栄一・末木文美士・西村明編『近代日本宗教史 第4巻 戦争の時代――昭和初期~敗戦』『近代日本宗教史 第5巻 敗戦から高度成長へ 敗戦~昭和中期』(宮部峻)
「政治社会史」という可能性とその中心――吉田裕編『戦争と軍隊の政治社会史』(野上元)

〈書評〉
創作特攻文学からポスト体験時代を考える――井上義和『特攻文学論』(角田燎)
日本型「民主主義」のゆくえ――山本昭宏『戦後民主主義――現代日本を創った思想と文化』(根本雅也)
戦争体験を「創り、伝える」――蘭信三、小倉康嗣、今野日出晴編『なぜ戦争体験を継承するのか――ポスト体験時代の歴史実践』(四條知恵)
多様な女性を可視化するとは――シンシア・エンロー著、望戸愛果訳『バナナ・ビーチ・軍事基地――国際政治をジェンダーで読み解く』(福浦厚子)
原爆報道の国際比較研究、その画期的達成――井上泰浩編『世界は広島をどう理解しているか――原爆七五年の五五か国・地域の報道』(山本昭宏)
ドイツと日本、その未来をつなぐ研究として――伊藤智央『市民性と日本の軍国主義 一九三七年から一九四〇年における言説と、政治的意思決定過程へのその影響』(ティノ・シェルツ/柳原伸洋訳)

〈テーマ別分野動向〉ドイツ語圏における空襲研究の動向(柳原伸洋)

〈追悼文〉 森岡清美先生に感謝を込めて(青木秀男)
〈編集後記〉(亘明志)

第5巻 『計量歴史社会学からみる戦争』

戦争社会学研究会編 2021年6月 みずき書林

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〇目次
特集1 計量歴史社会学からみる戦争
野上元・浜井和史・岩井八郎・渡邊勉

特集2 二一世紀における空襲の記憶と表現
柳原伸洋・福島幸宏・工藤洋三・楢崎茂彌・猪原千恵・片渕須直・山本昭宏・岡本充弘

投稿論文
乳幼児期被爆者による原爆体験の構築――「愛知自分史の会」の事例から/愛葉由依
戦後日本の政軍関係と自衛隊出身政治家の消長――隊友会機関紙『隊友』の言説分析を中心に/津田壮章

書評論文
戦争表象と世代の記憶――福間良明『戦後日本、記憶の力学』/荻野昌弘
シベリア抑留体験と日ソ戦争という前史――富田武『シベリア抑留者への鎮魂歌』、『日ソ戦争 一九四五年八月――棄てられた兵士と居留民』、アンドリュー・バーシェイ『神々は真っ先に逃げ帰った――棄民棄兵とシベリア抑留』/堀川優奈
「戦中派」と映画――山本昭宏編『近頃なぜか岡本喜八――反戦の技法、娯楽の思想』/森下達

書評
「戦い」への欲望を解剖する――足立加勇『日本のマンガ・アニメにおける「戦い」の表象』/瓜生吉則
ファシズムの理解から右派ポピュリズムの検討へ――田野大輔『ファシズムの教室――なぜ集団は暴走するのか』/伊藤昌亮
テクノロジーによる「記憶」の再構築と戦争社会学研究――庭田杏珠・渡邉英徳『AIとカラー化した写真でよみがえる戦前・戦争』/小川実紗
趣味からみた戦争の現在――吉田純編『ミリタリー・カルチャー研究――データで読む現代日本の戦争観』/小谷七生

テーマ別分野動向
軍隊の人的資源政策――合理主義、文化主義、構造主義/望戸愛果

編集後記(亘明志)
執筆者一覧(五〇音順)

第4巻 『軍事研究と大学とわたしたち』

戦争社会学研究会編 2020年6月 みずき書林

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〇目次
【特集1 軍事研究と大学とわたしたち】
軍事研究と大学とわたしたち(第一〇回研究大会記念シンポジウム)
西村明・蘭信三・井野瀬久美惠・喜多千草
山本昭宏・石原俊・伊藤公雄・荻野昌弘

【特集2 井上義和著『未来の戦死に向き合うためのノート』をめぐって】
井上義和著『未来の戦死に向き合うためのノート』」をめぐって――特集企画について 浜井和史
研究者は特攻の自己啓発的受容をどう受け止めていくのか――「わかりあえない人びと」を「理解をする」ということ 那波泰輔
「未来の戦死」と「過去の戦死」――井上義和『未来の戦死に向き合うためのノート』を読んで 中山郁
否定と両立する包摂へ――知覧から市ヶ谷と九段に臨む 井上義和

【特集3 戦争社会学研究会――これまでの10年と今後のあり方】
戦争社会学研究会の設立の思い出に寄せて 青木秀男
戦争社会学が開いた扉――研究会初期一〇年の活動を振り返って 野上元

【投稿論文】
占領期における京都の都市イメージ構築――「アメリカ」の承認と「非戦災都市」アイデンティティ 小川実紗
一九七二年の皇国少年――今井正『海軍特別年少兵』と一九七〇年代初頭の戦争観をめぐる一考察 小谷七生
特攻隊慰霊顕彰会の歴史――慰霊顕彰の「継承」と固有性の喪失 角田燎
シベリア抑留者による「捕虜」概念の拒絶と受容 堀川優奈

【書評論文】
近年の模型とミリタリーの関係をめぐる研究について──松井広志『模型のメディア論』を中心に 一ノ瀬俊也
硫黄島認識の転換を迫り、日本政府の歴史的責任を追及する――石原俊『硫黄島』 長島怜央

【テーマ別分野動向】
研究動向 日本の銃後 一ノ瀬俊也

編集後記(福間良明)
執筆者一覧

第3巻 『宗教からみる戦争』

戦争社会学研究会編 2019年6月 みずき書林 (画像をクリックすると出版社のHPへ移動します。)

〇目次
第1部 宗教からみる日本の近代戦

「宗教からみる戦争」特集企画について/西村明
近代日本の戦争と天皇の神聖化/島薗進
「皇道仏教」の形成/大谷栄一
”聖戦”と網状の実践系―金属品献納運動の宗教学/永岡崇
ビルマの独立と仏舎利奉遷―桜井兵五郎が構想した大東亜寺/大澤広嗣
無教会キリスト者の「戦争」―矢内原事件と塚本虎二の逡巡/赤江達也

第2部 旧ユーゴ戦と宗教
戦後ボスニア・ヘルツェゴビナにおける宗教の役割/ディーノ・アバゾヴィッチ
ボスニア・ヘルツェゴヴィナのムスリムの集団的アイデンティティーについて―レイス・ウル・ウラマー、チャウシェヴィチを例に/長島大輔

特別寄稿
戦争社会学とはなにかをめぐって/佐藤健二

投稿論文
日中戦争開始前後の日本における周縁的男性像―灰田勝彦のカウボーイソング「いとしの黒馬よ」を例として/永冨真梨
退役軍人としての女性―第一次世界大戦後アメリカにおける女性海外従軍連盟の組織化過程/望戸愛果

書評論文
心を病んだ兵士に対する軍のまなざし―『戦争とトラウマ―不可視化された日本兵の戦争神経症』/一ノ瀬俊也
「普遍主義」と「被爆者の声」をめぐって―『ヒロシマ・パラドクス―戦後日本の反核と人道意識』/山本昭宏
被爆問題研究の「いま」、そしてこれから―『原爆の記憶を継承する実践―長崎の被爆遺構保存と平和活動の社会学的考察』/好井裕明

文献紹介
戦時性暴力の「モデル・ストーリー」を問う―『戦争と性暴力の比較史へ向けて』/中村理香
「正体」か「構想」か―二つの「総力戦」―『総力戦体制の正体』像/野上元
今井昭彦による慰霊研究三部作について―『対外戦争戦没者の慰霊―敗戦までの展開』/粟津賢太

テーマ別分野動向
戦後七〇年と「戦争の記憶」研究―集合的記憶論の使われ方の再検討/木村豊

書評リプライ
ポジショナリティに意識的な議論へ向けて―書評への応答と書評会に対する雑感/木下直子

編集後記
執筆者一覧

第2巻『戦争映画の社会学』

戦争社会学研究会編 2018年6月 みずき書林 (画像をクリックすると出版社のHPへ移動します。)

〇目次
特集1 「戦争映画の社会学」①『野火』の戦争社会学

『野火』の戦争社会学/山本昭宏
戦争映画の社会学のために/野上元
「野火」に映る戦後/福間良明
『野火』の戦争社会学のために/成田龍一
『野火』にみる武蔵野の風景とフィリピンのゲリラ/青木深
人肉食が起こりうる世界を物語るということ/松下優一

特集1 「戦争映画の社会学」②戦争娯楽映画の系譜
「戦争映画」の拡大領域/山本昭宏
戦争娯楽映画を読み解く/好井裕明
『宇宙戦艦ヤマト』から『君の名は。』へ/足立加勇
戦争遺産へのまなざし/濱田武士

特集2 旧戦地に残されたもの
旧戦地に残されたもの/西村明
遺骨収集の「再開」と戦友会/中山郁
旧帝国圏における日本人戦没者の遺骨処理問題/浜井和史
太平洋戦争期のマーシャル諸島での朝鮮人軍属/趙誠倫
「戦争の記憶」の状態/キース・L・カマチョ

投稿論文
日本占領期ジャワにおける占領統治と衛生の確立/小林和夫

書評
戦争社会学の地平をめぐって:『戦争社会学―理論・大衆社会・表象文化』/若林幹夫
戦争の「神話化」と「平凡化」をジェンダー化する:『「戦争体験」とジェンダー:アメリカ在郷軍人会の第一次世界大戦戦場巡礼を読み解く』/南川文里
「被害者」の資料をいかに扱うか:『「慰安婦」問題の言説空間』/加島卓
脱植民地化・脱軍事化のための歴史叙述に向けて:『戦禍を記念する―グアム・サイパンの歴史と記憶』/長島怜央
国家は死を管理できるか:『記憶と追悼の宗教社会学』/荻野昌弘

編集後記

第1巻『ポスト「戦後70年」と戦争社会学の新展開』

戦争社会学研究会編 2017年4月 勉誠出版 (画像をクリックすると現在購入可能な出版社のHPへ移動します。)

〇目次
創刊の言葉 野上元

特集1 ポスト「戦後70年」と戦争社会学の新展開
特集企画にあたって―ポスト「戦後70年」と戦争社会学の新展開 福間良明
「戦争社会学」が開く扉 野上元
感謝の発露と美化批判―ポスト戦後七〇年の対立軸 井上義和
「特攻による活入れ」という衝撃―「記憶の継承から遺志の継承へ」モデルの批判的検討 蘭信三
シズメとフルイのアップデート 西村明

特集2 「空襲の記憶」の境界―時間・空間・学問を越境して
企画の趣旨、そしてそれをさらに「越える」ために 柳原伸洋
「防空」という視座―「防空」と「空襲」/「空爆」のあいだ 長志珠絵
ダーウィン空襲の記憶―「オーストラリア国防の最前線」を語り継ぐ 鎌田真弓
軍事化に抗する「戦争の記憶」―ドレスデン「〈一九四五年二月一三日〉協会」の歩み 木戸衛一
社会学はいかに空襲を記述できるのか? 木村豊
空襲の記憶とポスト戦後 西村明

投稿論文
一九五〇年代末―七〇年代初頭のSF ショート・ショート作品における核エネルギー表象 森下達

編集後記 西村明