BLOG SECTION

戦争社会学研究会2015年度関西例会 『軍隊の文化人類学』 合評シンポジウム

READ MORE

戦争社会学研究会 2015年度 関西例会
『軍隊の文化人類学』合評シンポジウム

ポスターのPDFファイルはこちら⇒2015年度関西例会

日時:2015年11月21日(土) 13時開場 13時30分開始
会場:京都大学人文科学研究所4階大会議室

1. プログラム
司会進行:山本昭宏(神戸市外国語大学)
(1)開会の挨拶(13時30分)
西村明(戦争社会学研究会運営委員)
(2)合評者1 西村明(東京大学・宗教学)(13時40分~14時10分)
(3)合評者2 荻野昌弘(関西学院大学・社会学)(14時10分~14時40分)
<休憩>(20分)
(4)合評者3 栗本英世(大阪大学・文化人類学)(15時~15時30分)
(5)執筆者からのリプライ(15時30分~16時20分)
<休憩>(10分)
(6)総合討論会(16時30分~17時30分)
(7)閉会の挨拶
蘭信三(上智大学)

2. 懇親会(18時~)
会場近辺で開催の予定(受付の際に参加希望を取ります)

*田中雅一編『軍隊の文化人類学』風響社、2015 年
目次など詳細情報は、風響社ホームページをご確認ください。
http://www.fukyo.co.jp/book/b194108.html

*事前申込不要・参加無料

*お問い合わせは、戦争社会学研究会事務局宛(ssw.adm@gmail.com) まで

戦争社会学研究会・関東例会「戦争と占領、軍事基地がもたらす「島」社会への政治・社会的影響」

READ MORE
戦争社会学研究会・関東例会
  開催日時:8月28日15時〜18時ごろ
  開催場所:法政大学新見附校舎A305教室(市ヶ谷キャンパス)
http://www.hosei.ac.jp/gaiyo/campus/ichigaya/ichigaya.html
*事前申込不要・参加無料

例会テーマ:戦争と占領、軍事基地がもたらす「島」社会への政治・社会的影響
  報告者:長島怜央(法政大学兼任講師)
  討論者:石原俊(明治学院大学)
  司会:深谷直弘(専修大学非常勤講師)

例会趣旨:
 <戦争>という現象が、どのように社会に影響を与えてきたのか。これに即して戦争社会学研究会では、社会に普及した戦争記憶の表象や(軍事)基地の文化といった文化現象を多く取り上げてきた。しかし近年の沖縄の辺野古基地移設問題といった<戦争>(軍事化)と地域社会の現実の政治問題との関係については、積極的に触れられてこなかったように思える。
 そこで、今回の関東例会では、<戦争>がもたらす「島」社会への政治的・社会的影響について議論することとしたい。今回は、議論の対象としてグアム社会を取り上げることにした。グアムは、日本の淡路島と同じ大きさで、局所的に林立する観光施設と巨大な米軍施設のある島である。そして、かつて(1941年12月〜1944年8月)は大宮島という日本の領土でもあった。
 グアム社会には、日本軍占領の影響と米軍再占領・米軍事基地設置の影響が、社会のなかで複合的かつ重層的に絡み合っている。グアム社会において、戦争や軍(合法的暴力組織)が、地域社会の仕組みや住民の社会意識の中にどのような形で影響しているのか。今回はこうした部分に着目し、グアムをフィールドにして調査研究を続けてこられ、今年3月に単著『アメリカとグアム: 植民地主義、レイシズム、先住民』を上梓した長島怜央さんに報告をお願いした。
 また、この報告を通じて、これまで戦争社会学が論じてきたテーマでもある、戦争記憶や基地文化、慰霊などとの議論の接続も試みたい。

2016年度研究大会の日程・会場

READ MORE
次年度の研究大会の日程・会場が次の通り決定いたしました。
第7回戦争社会学研究会研究大会
日時:2016423日(土)・24日(日)
会場:埼玉大学
大会の詳細及び報告者の募集等につきましては改めてご連絡せていただきます。

*研究会会員の方には、上記と同じ内容のものをメールにて
ご案内差し上げております。会員でメールが届いていない方が
いらっしゃいましたら、大変お手数ではございますが、事務局
までご連絡くださいますようお願い申し上げます。

 

第6回 戦争社会学研究会 大会プログラム

READ MORE

戦争社会学研究会 第6回研究プログラム

≫PDFファイルでもご覧になれます。第6回戦争社会学研究会大会プログラム

4月11日(土)

■個人報告
司会:青木秀男(社会理論・動態研究所)

・個人報告1(13:00~14:00)
冨永佐登美(長崎大学大学院)
「近代日本と「赤十字精神」の変容:看護婦生徒による答辞を手がかりとして」

・個人報告2(14:15~15:15)
高誠晩(京都大学大学院)
「南西諸島出身の行方不明者が台湾「二二八事件受難者」になるということ」

■特別講演(15:30~17:30)
「『従軍慰安婦問題』の論点 戦争社会学の視点から」
司会:福間良明(立命館大学)
講演:永井和(京都大学)
代表質問者:野上元(筑波大学)・木下直子氏(社会理論・動態研究所)
・趣意
いわゆる「従軍慰安婦問題」には多様な側面がある。様々な論者によって議論が激しく行われているが、むしろそこで見過ごされている論点や前提、盲点はないだろうか。このセッションでは、それを探すことに力を注ぎたい。それは、この「問題」に対し、この研究会、すなわち「戦争社会学」に何が出来るだろうかという問いにも繋がっている。
今回のセッションでは、京都大学の永井和氏を招き、まず基本的な論点を講演で示していただく。その後に、本研究会を代表して木下・野上の2名があらかじめ会員から募った質問を整理して永井氏に寄せる。当日は、会員の多様さに応じた論点が提起されるはずだろう。

■総会(17:35~)

■懇親会(18:00~)

 

4月12日(日)

■個人報告
司会:西村明(東京大学)

・個人報告3(10:00~11:00)
清水亮(東京大学大学院)
「海軍航空隊をめぐる地域の記憶のトポグラフィー――茨城県阿見町を中心に」

・個人報告4(11:15~12:15)
土門稔(関西学院大学大学院)
「江田島海上自衛隊教育参考館 近江一郎収集特攻関連資料からみる昭和21年~26年にかけての特攻兵士慰霊と遺族の実態」

==昼食休憩==

・個人報告5(13:15~14:15)
赤江達也(国立高雄第一科技大学)
「台湾の官立追悼施設・忠烈祠の形成と変容」

■テーマセッション(14:30~17:00)
「戦争と展示 ~大和ミュージアムをめぐって~」
司会・山本昭宏(神戸市外国語大学)
問題提起・一ノ瀬俊也(埼玉大学)
・山本理佳(愛知淑徳大学)
討論者・浜日出夫(慶應義塾大学)
・趣意
近年、アジア太平洋戦争を体験した世代の減少が問題になるなかで、戦争記憶の「継承」の問題が関心を集めている。非体験世代が戦争に触れる回路は、直接体験者から教育やメディアにシフトしたといえるだろう。
そこで関心が集まっているのが、戦争ミュージアムである。戦争の遺物を集めて展示し、来館者に見せるという行為は、戦争記憶の「継承」にいかに関与しているのだろうか。
本テーマセッションでは、呉市海事歴史科学館・大和ミュージアムに焦点を当てる。戦後史のなかの戦艦大和の存在、呉市における大和ミュージアムの位置づけ、そして展示のあり方などについて多角的に考察するセッションとなるだろう。

 

*会場
東海大学高輪キャンパス 4号館4206教室
交通アクセス:http://www.u-tokai.ac.jp/about/campus/takanawa/

*大会参加費など
会員(専任・院生とも):2000円(+年会費)
非会員(専任・院生とも):3000円
年会費 有職者:2000円、その他のかた:500円
以上、頂戴します。整理しますと、
会員有職者・4000円
会員(院生など)・2500円
非会員・3000円
となります。

*懇親会
東海大学高輪キャンパス内の学生食堂で懇親会を開催いたします。
院生等の方々には、過度の負担がかからない程度の金額設定で考えております。

*聴覚障害等のある方で、情報保障の必要な方は、2月末日までに、下記の連絡先までお問い合わせください。(予算・人員の関係上、手話通訳等ではなくノートテイク等での対応とさせていただく可能性があります。また、できるだけ報告レジュメの電子ファイルでの事前提供に努めますが、報告者によっては事前提供や電子ファイルでの提供が難しい場合もあります。あらかじめご了承ください。)

*発表に際し、パワーポイントをご使用の場合は、ご自身のノートPCをご持参ください。

*場合によって多少の変更の可能性があります。

*問い合わせ先 戦争社会学研究会事務局宛( ssw.adm@gmail.com )

****************

戦争社会学研究会・関東例会「慰霊するモノと人びと――海外戦没者をめぐる記憶のエージェンシー」

READ MORE

共催:「戦争死者慰霊の関与と継承」研究プロジェクト第7回研究会、科研費基盤研究B「連合国のアジア戦後処理に関する宗教学的研究――海外アーカイヴ調査による再検討」(研究代表者:創価大学中野毅)

日時:2014年11月1日(土)13:00開場、13:30~17:40
場所:東京大学本郷キャンパス法文1号館1階113教室

p1060615_3今回は、戦争社会学研究会・関東例会及び中野毅先生の科研プロジェクトとの共催で行われ、あいにくの雨天にもかかわらず様々な分野から35名ほどの参加者が足を運び、盛会となった。まず、中野先生より開会の挨拶が行われた。

○趣旨説明(西村明・東京大学大学院人文社会系研究科准教授)
まずは、西村氏が、海外戦没者をめぐる慰霊の担い手としての「第三者」(遺族や戦友などの戦没者と直接の関係を有する者以外の人々や慰霊碑・仏像などのモノ)に着目する視座を提起し、自身のフィールドワークにおける事例の紹介や、社会学等の先行研究における位置づけを行った。

 

 

 

p1060622_2(1)「可視化された海外戦没者――遺骨収集団の派遣再開をめぐって」
(浜井和史・帝京大学総合教育センター専任講師)
今春『海外戦没者慰霊の戦後史』を出版した浜井氏は、「1950年代で「概了」とされた政府の遺骨収集の取組みが1960年代にどのように再開されたのか」という問いに対し、外交史の分野から諸史料を検討し、海外渡航の自由化を契機とする「体験としての海外戦没者の可視化」が大きな役割を果たしたという指摘を行った。また、靖国国家護持法案を巡って対立していた自民党と社会党が遺骨収集の推進に関しては共通の関心をもっていた等の興味深い事実が報告された。最後に、今後の研究課題として、遺骨収集事業の「区切り/再開」をそれぞれ求める政府や遺族等のメンタリティに対して宗教学・民俗学・社会学などからアプローチする可能性や、日本側史料だけではなく現地政府・住民の視点を取り入れた多元的検討の必要性に言及した。

 

 

p1060642(2)「戦没者慰霊と観音菩薩像――山崎良順の事例を中心に」
(君島彩子・総合研究大学院大学日本歴史研究専攻博士後期課程)
芸術学をバックグラウンドとする君島氏は、戦没者慰霊のために発願された観音像という対象に着目した研究を試みている。今回は、僧侶でありながら殺生に関わる従軍を経験し、戦後は戦没者慰霊と平和祈願のために数多くの平和観音像を国内外に贈った山崎良順をとりあげ、その活動や思想を詳細に報告した。この事例研究から、発願者/製作者/宗教者/参拝者という複数の主体が関わり合いのなかで様々な主体の思いや記憶を繋げる平和観音像というモノを研究することが戦没者慰霊に貢献する可能性を示したといえるだろう。

 

 

 

 

p1060649(3) 「死者と生者を結びつける人々――パプアニューギニアにおける戦地慰霊と旅行業者」
(中山郁・國學院大學教育開発推進センター准教授)
修験道などを専門とする宗教学者の中山氏は、近年精力的にフィールドワークを行ってきたパプアニューギニアにおける戦没者慰霊を題材に、旅行業者や添乗員、在留邦人などの戦争と直接関わりを持たない人々が、戦没者慰霊団との共感的関わりや知識学習のなかで傍観者から記憶の継承者(エージェント)へと変化し、生き残りの戦友に代わって慰霊団にとっての「先達」の役割を務めるようになる現象に着目する。そして豊富な事例紹介から、慰霊巡拝は、単に霊を慰めるというだけではなく、戦友や遺族などがネットワークを形成する場としてのネットワーク機能や、継承者を生み出す場としてのリクルート機能を持っていることを明らかにした。

 

 

 

p1060657○ディスカッサントからのコメント
(粟津賢太:南山宗教文化研究所研究員)
以上を踏まえて、宗教社会学者の粟津氏が、全体的なコメントとして、今回の企画をこれまでの戦没者慰霊研究の流れに位置づけ、エージェントの対概念としてのペーシェントpatient概念や集合的記憶概念に言及しつつまとめを行い、各報告者へ個別の質問やコメントを投げかけた。その後、フロアからも次々と質疑がなされた。報告を踏まえて、世代変化、遺骨への執着、トランスナショナルな慰霊の可能性、戦後処理といったトピックをめぐる議論が展開され、鋭くも有益な批判も寄せられた。最後に戦争社会学研究会代表の野上元氏が、多面的な戦争という対象を捉えるために様々な分野を突き合わせて取り組むことの重要性を確認して幕を閉じた。

研究会後に設けた懇親会にも20名を超える参加者があり、様々な出会いや交流、さらなる議論が展開される賑やかな場となった。

(清水亮・東京大学大学院人文社会系研究科社会学研究室M1)

戦争社会学研究会・関東例会「慰霊するモノと人びと――海外戦没者をめぐる記憶のエージェンシー」

READ MORE

戦争社会学研究会・関東例会
共催:「宗教と社会」学会「戦争死者慰霊の関与と継承」研究プロジェクト、科研費基盤研究B「連合国のアジア戦後処理に関する宗教学的研究―海外アーカイヴ調査による再検討」(研究代表者:創価大学中野毅)

「慰霊するモノと人びと――海外戦没者をめぐる記憶のエージェンシー」
本シンポジウムの主題は、従来の戦死者慰霊の研究の中では十分論じられることがなかった、戦後の海外戦没地における慰霊や遺骨収集等、海外戦没者をめぐる記憶の為された方、作られ方である。その際、誰が記憶し、慰霊を成り立たせているのかということを照射するために、第三者のチカラを見据えた議論を行う。この場合の第三者とは、戦没者と直接の関係を有する遺族や戦友以外のさまざまな立場から関わる人びとや、慰霊碑や仏像等のモノを指している。文献調査と現場調査による成果の両面から、海外戦没者をめぐる状況の立体的理解を目指したい。

日時:2014年11月1日(土)13:00開場、13:30~17:40
場所:東京大学本郷キャンパス法文1号館1階113教室
アクセスマップ・会場案内
日程:
13:00 開場
13:30~13:40 開会挨拶(中野毅:科研研究代表者・創価大学文学部教授)
13:40~13:55 趣旨説明・登壇者紹介(西村明・東京大学大学院人文社会系研究科准教授)
13:55~14:30 浜井和史(帝京大学総合教育センター専任講師)
「可視化された海外戦没者―遺骨収集団の派遣再開をめぐって―(仮)」
14:30~14:40 休憩(10分)
14:40~15:15 君島彩子(総合研究大学院大学日本歴史研究専攻博士後期課程)
「戦没者慰霊と観音菩薩像―山崎良順の事例を中心に―」
15:15~15:50 中山郁(國學院大學教育開発推進センター准教授)
「死者と生者を結びつける人々―パプアニューギニアにおける戦地慰霊と旅行業者―(仮)」
15:50~16:05 休憩(15分)
16:05~16:25 ディスカッサントからのコメント(粟津賢太:南山宗教文化研究所研究員)
16:25~17:30 コメントへの応答とフロア・ディスカッション
17:30~17:40 閉会挨拶(野上元:戦争社会学研究会代表・筑波大学大学院人文社会科学研究科准教授)

なお、18:30より会場近くで懇親会を設けます。ご参加希望の方は、当日会場にて受付をします。

問い合わせ先:西村明(東京大学文学部宗教学宗教史学研究室、aquillax<アットマーク>gmail.com)
※<アットマーク>の部分を半角英数の@へ代えて送信してください。

>>チラシのダウンロード

戦争社会学研究会・関西学院大学先端社会研究所「戦争が生み出す社会」―関西学院大学先端社会研究所叢書『戦争が生み出す社会』を手がかりとして―

READ MORE

日時:2014 年9 月15 日(月)13 時半~ 17 時半
場所:関西学院大学大阪梅田キャンパス 1405 号室

司会進行:蘭 信三 氏(上智大学)・山本昭宏 氏(神戸市外国語大学)
プログラム
13:30        開会の挨拶  野上 元 氏(戦争社会学研究会代表)
13:40 ~ 14:20 荻野昌弘編『戦後社会の変動と記憶』新曜社
            報告者 福間良明 氏(立命館大学)・蘭 信三 氏(上智大学)
14:20 ~ 15:00 島村恭則編『引揚者の戦後』新曜社
            報告者 松田ヒロ子 氏(神戸学院大学)・松浦雄介 氏(熊本大学)
15:00 ~ 15:20 休憩
15:20 ~ 16:00 難波功士編『米軍基地文化』新曜社
            報告者 野上 元 氏(筑波大学)・青木 深 氏(一橋大学)
16:00 ~ 16:45 執筆者からのリプライ
16:45 ~ 17:30 総合討論
17:30          閉会の挨拶  荻野昌弘 氏(関西学院大学)
18:00          懇親会

※事前申込不要・参加無料

会場へのアクセス
関西学院大学大阪梅田キャンパス 1405 号室
(〒530-0013 大阪府大阪市北区茶屋町19-19 アプローズタワー<ホテル阪急インターナショナル>14 階)

主催:戦争社会学研究会・関西学院大学先端社会研究所
連絡先:戦争社会学研究会事務局 E-mail こちらをクリック
先端社会研究所事務室 TEL 0798-54-6085 E-mail asr<アットマーク>kwansei.ac.jp

シンポジウムチラシのダウンロード

第5回 戦争社会学研究会 大会プログラム

READ MORE
2014年3月8日(土)
■個人報告1(12:30-14:15)
 司会:蘭信三(上智大学)
  報告者:櫻井悟史氏(立命館大学専門研究員)「軍隊における刑罰についての思考様式――死刑を手がかりに」
・要旨
 報告者は、日本で死刑が存置され続けるのはなぜか、死刑を支える思考様式とはなにかという問題関心から、研究に取り組んでいる。そうした研究において避けることができないのが、軍刑法における死刑についてである。
 先行研究では、軍法会議の運用について、手続き上さまざまな問題があったことが指摘されている。また、戦時体制下においては、一般刑法による死刑より、軍刑法による死刑の方が圧倒的に多かったことを示唆するデータもある。しかし、手続き上の問題があったことと、刑罰として死刑が多く用いられたことは必ずしも順接しない。それでは、なぜ軍隊では一般刑法と比べて多くの死刑が用いられたのか。そうした死刑の運用が可能だったのはなぜなのか。
 本報告の目的は、身体に苦痛を加えることと軍隊社会のよりよき統制がいかに結びついていたのかに注目し、そこから大量の死刑を可能とした刑罰についての思考様式を明らかにすることで、上記の問いにこたえることにある。また、そうした思考様式が、戦後の死刑論争にいかなる影響を与えたのか、すなわち軍刑法の廃止とともにそうした思考様式も廃棄されたのか、あるいは別の形で戦後に継承されたのかについても、あわせて検討したい。

戦争社会学研究会・関西例会

READ MORE

戦争社会学研究会・関西例会

■開催日時:10月19日(土)・13時〜
■開催場所:関西大学社会学部5階、D501教室 (千里山キャンパス)
交通アクセス:http://www.kansai-u.ac.jp/global/guide/access.html
キャンパスマップ:http://www.kansai-u.ac.jp/global/guide/mapsenri.html (社会学部は第3学舎です)

■例会テーマ:戦跡と観光の社会学
報告者:山本昭宏(神戸市外国語大学)・山口誠(関西大学)  討論者:木村至聖(甲南女子大学)・野上元(筑波大学)  司会者:福間良明(立命館大学)
 戦跡という「メディア」は、ときに「戦争」に深い関心を有しない層にも「記憶」を紡いでいくメディアである。広島や長崎、沖縄の戦争遺産が観光地にもなっていることを思い起こせば、そのことは明瞭であろう。
 だが、戦跡観光は来訪者に「記憶」を伝える一方、地域の「記憶」を塗り替えていくことも珍しくない。観光者の「期待」を内面化しながら、自らの「戦争の記憶」を構築し、それを観光者たちが「愉しむ」という、観光者と地域の相互作用は、しばしば見られるものではないだろうか。  こうした問題関心を念頭に置きながら、例会では、「特攻の町、知覧」に注目する。
 現在、知覧町にある知覧特攻平和会館は、「特攻の記憶」を世界記憶遺産に登録しようと活動中である。「特攻の町、知覧」がどのように形成され、それが観光地となる過程でマスメディアや平和会館がどのような役割を果たしたのか。観光に訪れる人びとは何を知覧に期待したのか。これらに注目して、報告を行う。

戦争社会学研究会・関東例会

READ MORE

戦争社会学研究会・関東例会
日時:2013年7月7日(日)14:00-
場所:慶應義塾大学三田キャンパス・大学院棟1階313教室   戦争社会学と<調査>
報告者:木村豊(慶應義塾大学大学院)・深谷直弘(法政大学大学院)
司会:塚田修一(東京都市大学非常勤講師)
討論者:好井裕明(日本大学)、柳原伸洋(東海大学)

 戦争を社会学的に研究する際のアプローチの多様さとその可能性の豊かさに関しては、『戦争社会学ブックガイド』(創元社・2012)およびこれまでの大会においても模索・議論されてきた。
 それらをゆるやかに踏襲しつつ、本例会においては、戦争社会学と<調査>を再考したい。とは言っても、調査の方法論や精緻さをあれこれ議論するのではなく、もっとパフォーマティヴに<調査>について考え、戦争社会学の可能性を引き出してみたいと考えている。
 今回は、先頃上梓された『被爆者調査を読む』(慶應義塾大学出版会・2013)に寄稿していらっしゃる木村豊氏と深谷直弘氏をお招きする。木村氏は東京大空襲を、深谷氏は長崎をフィールドに、主にインタビュー調査によるお仕事を積み重ねてこられた。だが、同書の中で、お二人はそれらとは質の異なる調査資料に出会われ、また異なる調査記述をなさっている。そこでは、いかなる可能性(あるいは不可能性)を感じられたのか、語っていただく。
 討論者として、日本の社会学における質的調査をリードしてこられた好井裕明氏と、実証的な歴史学からサブカルチャーに至るまで幅広い領域で研究をなさっている柳原伸洋氏をお迎えする。