研究大会

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2016年度関東例会 Keith L. Camacho基調講演&『戦禍を記念するーグアム・サイパンの歴史と記憶』合評会

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戦争社会学研究会2016年度関東例会

ポスターはこちら⇒ 2016関東例会

第1部 基調講演(英語)
Keith L. Camacho (Department of Asian American Studies, UCLA)
The State of “War Memory”: Reflecting on Conflicts and Coalitions in the Pacific Islands

第2部 合評会(英語・日本語)
キース・L・カマチョ『戦禍を記念する-グアム・サイパンの歴史と記臆』(岩波書店、9月25日刊)
評者
長島怜央(法政大学)
石原 俊(明治学院大学)

日時
2016年10月22日(土)
開場13:30・開始14:00・終了17:40 (予定)
会場
東京大学本郷キャンパス
・法文1号館113号室

【講演要旨】
The State of “War Memory”: Reflecting on Conflicts and Coalitions in the Pacific Islands

What is the state of “war memory” in the Pacific Islands? In this talk, I discuss the significance of World War II and its aftermath in the Mariana Islands and the wider Pacific region. My goal is to examine how conflicts and coalitions produce both the means and the methods by which scholars have come to analyze the war, its complex and varied histories, and its enduring and equally contentious political and social memories. Along these lines, I reflect upon my role as a native scholar-activist caught in-between colonial wars and occupation, on the one hand, and indigenous and feminist movements for justice, on the other. From this vantage point, we can begin to understand and appreciate the state of war memory for Indigenous peoples in the Pacific Islands and for war memory studies more generally.

【講師紹介】
キース・L・カマチョ(UCLA アジア系アメリカ人研究科准教授)
2005年ハワイ大学マノア校にてPh.D.(歴史学)。『戦禍を記念する』の原著であるCultures of Commemoration: The Politics of War, Memory and History in the Mariana Islands (Honolulu: University of Hawai‘i Press, 2011)により、第28回大平正芳記念賞と北マリアナ諸島自治連邦区知事人文賞を受賞。
編著に、“Gender and Sexual Politics of Pacific Island Militarisation: A Call for Critical Militarisation Studies” with guest editors Victor Bascara and Elizabeth DeLoughrey, a special issue of Intersections: Gender and Sexuality in Asia and the Pacific 37, 2015.
“Transoceanic Flows: Pacific Islander Interventions across the American Empire,” guest editor, a special issue of Amerasia Journal 37:3, 2011.
Militarized Currents: Toward a Decolonized Future in Asia and the Pacific, with co-editor Setsu Shigematsu (Minneapolis: University of Minnesota Press), 2000.
論文に、“Filipinos, Pacific Islanders, and the American Empire,” in The Oxford Handbook of Asian American History, ed. David K. Yoo and Eiichiro Azuma (Oxford: Oxford University Press), 13-29, 2016; “Homomilitarism: The Same-Sex Erotics of the US Empire in Guam and Hawai‘i,” Radical History Review, Issue 123, 144-175, 2015など多数。
Critical Ethnic Studies, Amerasia Journal, Journal of American Studies: Eurasian Perspectives, American Quarterly等の編集委員を歴任。

【タイムテーブル】
2:00-2:05pm 開会(西村明)
第1部
2:05-2:50pm 基調講演 (キース・カマチョ)
2:50-3:05pm 質疑応答
3:05-3:20pm 休憩
第2部(司会・西村)
3:20-3:50pm 長島コメント
3:50-4:20pm 石原コメント
4:20-5:30pm 著者からの応答とフロアからの質疑応答
5:30-5:40pm 閉会(野上元)

6:30pm- 懇親会

第7回戦争社会学研究会大会レポート

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 戦争社会学研究会の第7回研究大会が埼玉大学にて開催され、二日間を通して計60名近くの方が参加する盛会となりました。参加者も社会学、歴史学、宗教学など他分野にわたり、修士課程の大学院生や社会人の方の参加も多数見られました。

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◎4/23(土)大会一日目
〈個人報告〉
 山本昭宏氏の司会で2名の個人報告が行われました。一番手の須藤遼氏は、日露戦争軍役夫について報告されました。二番手の趙誠倫氏は、マーシャル諸島における日本人兵士と朝鮮人軍夫との関係について報告されました。いずれの報告も1時間という潤沢な報告時間のなかで有意義な議論が交わされました。

〈シンポジウム: ポスト「戦後70年」と戦争社会学の新展開」〉
 福間良明氏の司会で戦争社会学の新展開に関するシンポジウムが開かれました。
第一報告者の好井裕明氏は、被爆や戦争に関する言説のマンネリ化に対して危機感を示した上で、戦争に関する映画を幅広く取り上げ、日常生活場面における緩やかな娯楽のなかで「戦争を反芻し反省すること」の持つ可能性について提起されました。
 第二報告者の井上義和氏は、自己啓発などの文脈と結びついた特攻受容という戦争の記憶の現代的状況について取り上げ、記憶の継承とは異なる「遺志の継承」という新たな理解の枠組みについて提示されました。そして、歴史認識の立場の隔たりが大きくなるなかで、異なる立場をつなぐような研究の必要性について提起されました。
 第三報告者の野上元氏は、戦争・軍事が重要な社会問題として認識されているアメリカの状況と、そうした状況に関する最新の研究動向について紹介されました。そして、日本においても戦争=第二次大戦という見方を相対化し、個々の研究を戦争・軍事をめぐる現在の問題へとつなげていく必要性について提起されました。
 以上の報告に対して、コメンテータの蘭信三氏からは戦争をめぐる世代の差異に関する問題提起が、西村明氏からは戦争理解のアップデートとして宗教体験論に関する問題提起が投げかけられました。それに対するリプライの後、フロアからも個別の報告や戦争研究の今後の展開にする活発な議論が展開されました。
 議論の熱も冷めやらぬまま、総会を挟んで開かれた懇親会には30名を超える参加者が集い大盛況となりました。新入会員の自己紹介なども行われ、若い院生も多数参加して賑やかな宴となりました。

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◎4/24(日)大会二日目
〈個人報告〉
 一ノ瀬俊也氏の司会で3名の個人報告が行われました。一番手の中山郁氏は、戦争末期に戦地における遺骨還送・慰霊体制が崩壊していく過程について報告されました。二番手の松岡勲氏は、靖国神社の遺児参拝について、京都市の事例に基づきながら報告されました。三番手の清水亮氏は、下宿・倶楽部という場において軍隊が受容されていく過程について報告されました。いずれの報告に対してもフロアから活発な議論が寄せられ、今後の展開に向けた示唆が示されました。

〈テーマセッション: 「空襲の記憶」の境界――時間・空間・学問を越境して〉
 柳原伸洋氏の司会で「空襲」に関するテーマセッションが開かれました。
 第一報告者の長志珠絵氏は、戦後日本社会における空襲のイメージと空襲市民運動について踏まえながら、「記憶」という視点から日本における防空研究と空襲研究を捉え直し、占領という時間や帝国という空間のなかで空襲の問題を考える重要性について報告されました。
 第二報告者の鎌田真弓氏は、戦勝国であるオーストラリアにおけるダーウィン空襲の記憶が、「国防の最前線」として位置づけられ、国民国家とむすびついていく歴史的な過程とその現況について、モニュメントや追悼式典の事例に基づきながら報告されました。
 以上の報告に対して、コメンテータの木戸衛一氏によるドイツの軍事化と空襲の記憶についての報告、西村明氏による福岡空襲と地域の記憶についての報告、木村豊氏による東京大空襲と広島原爆の比較についての報告と、それぞれの立場から報告者への問いかけがなされました。
 その後フロアを交えて、空襲研究が戦争をめぐる諸研究とどのようにつながっていくのかといった空襲研究の可能性をめぐって議論は白熱し、1時間余りの延長を経て閉会となりました。

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第7回戦争社会学研究会大会プログラム

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第7回戦争社会学研究会大会プログラム

【懇親会の開始時間を変更しました】

≫ポスターのPDFファイルはこちら。戦争社会学研究会大会(2016)ポスター ver.4
4月23日(土)
■個人報告
司会:山本昭宏(神戸市外国語大学)

・個人報告1(13:00~14:00)
須藤遼(慶應義塾大学大学院)
「日露戦争期軍役夫の検討」

・個人報告2(14:10~15:10)
趙誠倫(済州大学校)
「太平洋戦争末期マーシャル諸島の日本兵と朝鮮人軍夫」

■シンポジウム(15:20~17:50)
「ポスト「戦後70年」と戦争社会学の新展開」
司会:福間良明(立命館大学)
報告:好井裕明(日本大学)
井上義和(帝京大学)
野上元(筑波大学)
討論者:蘭信三(上智大学)
西村明(東京大学)

・趣意:
「戦後70年」の昨年には、戦争をめぐるさまざまな議論が繰り広げられた。社会学や近接領域も例外ではない。日本社会学会でシンポジウム「戦争をめぐる社会学の可能性」が行われたほか、日本マス・コミュニケーション学会、同時代史学会等で「戦後70年」を主題としたシンポジウムやワークショップが開かれた。広義の戦争社会学に含まれる研究書の刊行も少なからず見られた。
こうしたなかで垣間見られたのは、従来の知見をふまえつつも、それらを相対化しようとする試みであったように思われる。日本社会学会シンポジウムでは、「新しい戦争」も視野に入れつつ戦争という現象を理論社会学として捉え返す視角や、アメリカのミリタリー・ソシオロジーの動向と日本の潮流との対比に言及がなされたほか、いくつかの学会・研究書では、戦争の記憶の「脱文脈化」を正面から取り上げる動きも見られた。本シンポジウムでは、これらの議論も念頭に置きつつ、「ポスト戦後70年」における戦争社会学のあり方について検討を行ないたい。それはすなわち、本研究会の議論のありようを、どのように展開させていくのかを考えようとするものでもある。
報告者としては、好井裕明氏、井上義和氏、野上元氏に登壇いただく。好井氏はこれまでに被爆をめぐる表象や記憶に関する研究を積み重ねてこられたほか、日本社会学会における上記シンポジウムにおいても、企画や司会を務められた。こうした蓄積をふまえたうえで、今後の戦争社会学の方向性についてご議論いただく。
井上義和氏は、戦争の記憶が、戦後的な戦争観や地域の体験から脱文脈化される形で再編・受容される近年の動向について、教育社会学の視点から研究を進めている。こうした、「記憶の継承」という従来の枠組みでは捉えきれない現象へのアプローチについて、問題提起していただく。
野上元氏は、これまで多くの戦争社会学の研究蓄積を有する一方、これらをより普遍的な視座から検討できるよう、近年では「戦争史記述の社会学的規準」と題する作業を続けている。2015年度の在外研究の成果もふまえつつ、今後戦争社会学にどのようなテーマがありえるのかについて語っていただく。
以上の議論に対して、蘭信三氏にはおもに社会編成や人口移動の観点から、西村明氏には慰霊・記憶研究の観点からコメントをしていただく。そのうえで、今後の戦争社会学の展開として、いかなる方向性があり得るのかについて、考察を深めていきたい。

■総会(17:50~18:20ごろ)

■懇親会(18:30~20:30) 教職員食堂「バル・メリンの森」
*18時30分を目安にしていますが、総会次第では開始時間が遅れる可能性があります。何卒ご了承ください。

4月24日(日)
■個人報告
司会:一ノ瀬俊也(埼玉大学)
・個人報告3(10:00~11:00)
中山郁(國學院大學)
「戦地における遺骨還送・慰霊体制の崩壊と戦友・遺族:東部ニューギニア・ブーゲンビル島の事例から」

・個人報告4(11:10~12:10)
松岡勲(立命館大学非常勤講師)
「京都市の靖国神社遺児参拝:1950年代の靖国神社遺児参拝の実像」

===昼食休憩===

・個人報告5(13:10~14:10)
清水亮(東京大学大学院)
「地域社会において軍隊はいかに受容されてきたか:海軍航空隊の下宿・倶楽部を中心に」

■テーマセッション(14:20~16:50)
「「空襲の記憶」の境界 ―時間・空間・学問を越境して―」
司会:柳原伸洋(東海大)
問題提起:長志珠絵(神戸大学) 「空襲」イメージがはらむ記憶の国境線――帝国の防空とその記録・記憶
鎌田真弓(名古屋商科大学) ダーウィン空襲の記憶:「オーストラリア国防の最前線」を語り継ぐ
討論者:木戸衛一(大阪大学) :ドレスデン・政治学の観点から
西村明(東京大学) :福岡・長崎・宗教学の観点から
木村豊(日本学術振興会特別研究員PD) :東京・広島・社会学の観点から

・趣旨:
戦後70年を迎えた2015年は、各種メディアや研究のほぼ全てにおいて「体験者の減少」や「継承の問題」についての言及があったといえる。戦争社会学研究会でも、2015年度大会で博物館展示を通じた「継承」が議論された。また、本大会一日目のシンポジウムでは、「ポスト戦後70年」が取り扱われる予定である。
大会二日目の本テーマセッションでは、テーマを「空襲」にしぼり、「継承」そして「ポスト戦後70年」について考えてみたい。本企画は、「日独比較を通じた『空襲の記憶継承学』の構築」(挑戦的萌芽研究 代表:木戸衛一)との共催となる。この科研費調査では、空襲の記憶が、日本・東ドイツ・西ドイツにおいて「いかに継承されてきたのか」を比較考察している。本セッションでは、地域・学問領野をさらに広げることで、「空襲記憶」や「継承」の多様性から各知見を比較考量することで、「記憶」「継承」などの概念も再検討しつつ、今後の空襲研究の展望を示す。また、質疑応答では、戦争社会学研究への定置も試みていきたい。
*会場
埼玉大学教養学部棟3階 31番教室

交通アクセス:http://www.saitama-u.ac.jp/access/accessmap.html
校内案内図 :http://www.saitama-u.ac.jp/access/campus.html

*大会参加費など
会員(専任・院生とも):2000円(+年会費)
非会員(専任・院生とも):3000円
年会費 有職者:2000円、その他のかた:500円
以上、頂戴します。整理しますと、
会員有職者・4000円
会員(院生など)・2500円
非会員・3000円
となります。

*聴覚障害等のある方で、情報保障の必要な方は、2月末日までに、下記の連絡先までお問い合わせください。(予算・人員の関係上、手話通訳等ではなくノートテイク等での対応とさせていただく可能性があります。また、できるだけ報告レジュメの電子ファイルでの事前提供に努めますが、報告者によっては事前提供や電子ファイルでの提供が難しい場合もあります。あらかじめご了承ください。)

*発表に際し、パワーポイントをご使用の場合は、ご自身のノートPCをご持参ください。

*場合によって多少の変更の可能性があります。

*問い合わせ先 戦争社会学研究会事務局宛( ssw.adm@gmail.com )