関東例会

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戦争社会学研究会・関東例会「戦争と占領、軍事基地がもたらす「島」社会への政治・社会的影響」

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戦争社会学研究会・関東例会
  開催日時:8月28日15時〜18時ごろ
  開催場所:法政大学新見附校舎A305教室(市ヶ谷キャンパス)
http://www.hosei.ac.jp/gaiyo/campus/ichigaya/ichigaya.html
*事前申込不要・参加無料

例会テーマ:戦争と占領、軍事基地がもたらす「島」社会への政治・社会的影響
  報告者:長島怜央(法政大学兼任講師)
  討論者:石原俊(明治学院大学)
  司会:深谷直弘(専修大学非常勤講師)

例会趣旨:
 <戦争>という現象が、どのように社会に影響を与えてきたのか。これに即して戦争社会学研究会では、社会に普及した戦争記憶の表象や(軍事)基地の文化といった文化現象を多く取り上げてきた。しかし近年の沖縄の辺野古基地移設問題といった<戦争>(軍事化)と地域社会の現実の政治問題との関係については、積極的に触れられてこなかったように思える。
 そこで、今回の関東例会では、<戦争>がもたらす「島」社会への政治的・社会的影響について議論することとしたい。今回は、議論の対象としてグアム社会を取り上げることにした。グアムは、日本の淡路島と同じ大きさで、局所的に林立する観光施設と巨大な米軍施設のある島である。そして、かつて(1941年12月〜1944年8月)は大宮島という日本の領土でもあった。
 グアム社会には、日本軍占領の影響と米軍再占領・米軍事基地設置の影響が、社会のなかで複合的かつ重層的に絡み合っている。グアム社会において、戦争や軍(合法的暴力組織)が、地域社会の仕組みや住民の社会意識の中にどのような形で影響しているのか。今回はこうした部分に着目し、グアムをフィールドにして調査研究を続けてこられ、今年3月に単著『アメリカとグアム: 植民地主義、レイシズム、先住民』を上梓した長島怜央さんに報告をお願いした。
 また、この報告を通じて、これまで戦争社会学が論じてきたテーマでもある、戦争記憶や基地文化、慰霊などとの議論の接続も試みたい。

戦争社会学研究会・関東例会「慰霊するモノと人びと――海外戦没者をめぐる記憶のエージェンシー」

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共催:「戦争死者慰霊の関与と継承」研究プロジェクト第7回研究会、科研費基盤研究B「連合国のアジア戦後処理に関する宗教学的研究――海外アーカイヴ調査による再検討」(研究代表者:創価大学中野毅)

日時:2014年11月1日(土)13:00開場、13:30~17:40
場所:東京大学本郷キャンパス法文1号館1階113教室

p1060615_3今回は、戦争社会学研究会・関東例会及び中野毅先生の科研プロジェクトとの共催で行われ、あいにくの雨天にもかかわらず様々な分野から35名ほどの参加者が足を運び、盛会となった。まず、中野先生より開会の挨拶が行われた。

○趣旨説明(西村明・東京大学大学院人文社会系研究科准教授)
まずは、西村氏が、海外戦没者をめぐる慰霊の担い手としての「第三者」(遺族や戦友などの戦没者と直接の関係を有する者以外の人々や慰霊碑・仏像などのモノ)に着目する視座を提起し、自身のフィールドワークにおける事例の紹介や、社会学等の先行研究における位置づけを行った。

 

 

 

p1060622_2(1)「可視化された海外戦没者――遺骨収集団の派遣再開をめぐって」
(浜井和史・帝京大学総合教育センター専任講師)
今春『海外戦没者慰霊の戦後史』を出版した浜井氏は、「1950年代で「概了」とされた政府の遺骨収集の取組みが1960年代にどのように再開されたのか」という問いに対し、外交史の分野から諸史料を検討し、海外渡航の自由化を契機とする「体験としての海外戦没者の可視化」が大きな役割を果たしたという指摘を行った。また、靖国国家護持法案を巡って対立していた自民党と社会党が遺骨収集の推進に関しては共通の関心をもっていた等の興味深い事実が報告された。最後に、今後の研究課題として、遺骨収集事業の「区切り/再開」をそれぞれ求める政府や遺族等のメンタリティに対して宗教学・民俗学・社会学などからアプローチする可能性や、日本側史料だけではなく現地政府・住民の視点を取り入れた多元的検討の必要性に言及した。

 

 

p1060642(2)「戦没者慰霊と観音菩薩像――山崎良順の事例を中心に」
(君島彩子・総合研究大学院大学日本歴史研究専攻博士後期課程)
芸術学をバックグラウンドとする君島氏は、戦没者慰霊のために発願された観音像という対象に着目した研究を試みている。今回は、僧侶でありながら殺生に関わる従軍を経験し、戦後は戦没者慰霊と平和祈願のために数多くの平和観音像を国内外に贈った山崎良順をとりあげ、その活動や思想を詳細に報告した。この事例研究から、発願者/製作者/宗教者/参拝者という複数の主体が関わり合いのなかで様々な主体の思いや記憶を繋げる平和観音像というモノを研究することが戦没者慰霊に貢献する可能性を示したといえるだろう。

 

 

 

 

p1060649(3) 「死者と生者を結びつける人々――パプアニューギニアにおける戦地慰霊と旅行業者」
(中山郁・國學院大學教育開発推進センター准教授)
修験道などを専門とする宗教学者の中山氏は、近年精力的にフィールドワークを行ってきたパプアニューギニアにおける戦没者慰霊を題材に、旅行業者や添乗員、在留邦人などの戦争と直接関わりを持たない人々が、戦没者慰霊団との共感的関わりや知識学習のなかで傍観者から記憶の継承者(エージェント)へと変化し、生き残りの戦友に代わって慰霊団にとっての「先達」の役割を務めるようになる現象に着目する。そして豊富な事例紹介から、慰霊巡拝は、単に霊を慰めるというだけではなく、戦友や遺族などがネットワークを形成する場としてのネットワーク機能や、継承者を生み出す場としてのリクルート機能を持っていることを明らかにした。

 

 

 

p1060657○ディスカッサントからのコメント
(粟津賢太:南山宗教文化研究所研究員)
以上を踏まえて、宗教社会学者の粟津氏が、全体的なコメントとして、今回の企画をこれまでの戦没者慰霊研究の流れに位置づけ、エージェントの対概念としてのペーシェントpatient概念や集合的記憶概念に言及しつつまとめを行い、各報告者へ個別の質問やコメントを投げかけた。その後、フロアからも次々と質疑がなされた。報告を踏まえて、世代変化、遺骨への執着、トランスナショナルな慰霊の可能性、戦後処理といったトピックをめぐる議論が展開され、鋭くも有益な批判も寄せられた。最後に戦争社会学研究会代表の野上元氏が、多面的な戦争という対象を捉えるために様々な分野を突き合わせて取り組むことの重要性を確認して幕を閉じた。

研究会後に設けた懇親会にも20名を超える参加者があり、様々な出会いや交流、さらなる議論が展開される賑やかな場となった。

(清水亮・東京大学大学院人文社会系研究科社会学研究室M1)

戦争社会学研究会・関東例会「慰霊するモノと人びと――海外戦没者をめぐる記憶のエージェンシー」

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戦争社会学研究会・関東例会
共催:「宗教と社会」学会「戦争死者慰霊の関与と継承」研究プロジェクト、科研費基盤研究B「連合国のアジア戦後処理に関する宗教学的研究―海外アーカイヴ調査による再検討」(研究代表者:創価大学中野毅)

「慰霊するモノと人びと――海外戦没者をめぐる記憶のエージェンシー」
本シンポジウムの主題は、従来の戦死者慰霊の研究の中では十分論じられることがなかった、戦後の海外戦没地における慰霊や遺骨収集等、海外戦没者をめぐる記憶の為された方、作られ方である。その際、誰が記憶し、慰霊を成り立たせているのかということを照射するために、第三者のチカラを見据えた議論を行う。この場合の第三者とは、戦没者と直接の関係を有する遺族や戦友以外のさまざまな立場から関わる人びとや、慰霊碑や仏像等のモノを指している。文献調査と現場調査による成果の両面から、海外戦没者をめぐる状況の立体的理解を目指したい。

日時:2014年11月1日(土)13:00開場、13:30~17:40
場所:東京大学本郷キャンパス法文1号館1階113教室
アクセスマップ・会場案内
日程:
13:00 開場
13:30~13:40 開会挨拶(中野毅:科研研究代表者・創価大学文学部教授)
13:40~13:55 趣旨説明・登壇者紹介(西村明・東京大学大学院人文社会系研究科准教授)
13:55~14:30 浜井和史(帝京大学総合教育センター専任講師)
「可視化された海外戦没者―遺骨収集団の派遣再開をめぐって―(仮)」
14:30~14:40 休憩(10分)
14:40~15:15 君島彩子(総合研究大学院大学日本歴史研究専攻博士後期課程)
「戦没者慰霊と観音菩薩像―山崎良順の事例を中心に―」
15:15~15:50 中山郁(國學院大學教育開発推進センター准教授)
「死者と生者を結びつける人々―パプアニューギニアにおける戦地慰霊と旅行業者―(仮)」
15:50~16:05 休憩(15分)
16:05~16:25 ディスカッサントからのコメント(粟津賢太:南山宗教文化研究所研究員)
16:25~17:30 コメントへの応答とフロア・ディスカッション
17:30~17:40 閉会挨拶(野上元:戦争社会学研究会代表・筑波大学大学院人文社会科学研究科准教授)

なお、18:30より会場近くで懇親会を設けます。ご参加希望の方は、当日会場にて受付をします。

問い合わせ先:西村明(東京大学文学部宗教学宗教史学研究室、aquillax<アットマーク>gmail.com)
※<アットマーク>の部分を半角英数の@へ代えて送信してください。

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