酔拳

7月 28, 2001 under ダイエット

TVで『酔拳2』をやっている。
ジャッキー・チェンである。
3度目ぐらいか。
でも見てしまう(笑)。
酔拳は、正確には酔八仙拳という。
八人の酒好きの仙人の型を模した中国拳法である。
呂洞賓、鉄拐李、権鐘離、藍采和、曹国舅、韓湘子、何仙姑、張果老の8仙人である。
なかでも鉄拐李は落語「鉄拐」の題材ともなっているので知っている人も多いであろう。
ま、いつもながら、どうでもいい知識であるが(笑)。
さて、映画の中では、中国の宝物を略奪し大英博物館に納めようとするイギリス領事が出てくる。
時代が近代に入ると、中国大陸は西欧列強によってほしいままに略奪されてきた。
アヘン戦争などひどいものである。
イギリスは中国へ麻薬を売りさばいており、それを断ったことに対して戦争を仕掛けるのである。
1900年8月には、「義和団の乱」(「義和団事件」「北清事変」などといわれることもある)といわれる事件が起こる。
これは外国支配の排斥を目指す国粋主義テロ組織「義和団」の武装蜂起事件として知られる。
これを、列強側の視点で描いた映画『北京の55日-55 Days at Peking-』(1963年米)は有名である。
この映画の中では、野蛮な中国人がバタバタと倒されてゆく。
こうした異人種が次々に殺戮されてゆく場面はアメリカ映画にはつき物である。
それが映画によって、インディアンであったり、ドイツ兵であったり、日本兵であったりするのだ。
さて、この時の西欧列強11カ国の中には日本も入っている。
列強側は鎮圧するのに本国から近代軍隊を投入するが、もっとも大量の部隊を送ったのは日本軍である。
アヘン戦争や東学党の乱、義和団事件などで、立ち上がった中国人たちの武器は、剣や槍、拳法などの武術。火薬は伝統的に爆竹や今でいうロケット花火のようなものだけである。
ちなみに、日本でも民衆の最後にして最大の武装蜂起事件として有名な秩父事件(1894年)でも、「竜勢(りゅうせい)」といわれるロケット花火が使われたのは有名である。
この武装蜂起に対しても山形有朋は近代軍隊一個師団を送って鎮圧をした。
何がいいたいのかといえば、中国大陸でこうした近代軍隊に立ち向かった拳法の達人たち。
当然、弾丸や大砲に勝てるはずもなくことごとく殺戮され、反乱は鎮圧されてしまったのである。
それゆえ、一度断絶してしまった伝統を復興したのが、少林寺拳法の創始者で宗道臣(そうどうしん)。
日本人である。
時に1947年、昭和22年。第二次世界大戦後の日本である。
彼は大戦中、関東軍特務機関員として満州におり、そこで義和門拳の修行をしたといわれる。
「少林寺拳法」というのも彼のつけた名称である。
つまり、現在の中国の少林寺拳法は一種の逆輸入なのである。
芸術や武道などは、起源を離れて遠い異文化の中で洗練されていったものが多くある。
食文化は顕著な例であるし、グレーシー柔術なども、日本で絶えてしまったものがブラジルで発達を遂げたものである。
古くは『水滸伝』にも「酔打」として記述されている「酔拳」。
本当の達人もこうした戦闘の中で失われてしまっている。
ちなみに、宗道臣の自伝的映画があるらしい。タイトルもまんまの『少林寺拳法』。宗道臣を演じるのは千葉真一。そう!あのサニー・チバである(笑)。
きっとめちゃくちゃなアクション映画なんだろうなあ。
見たいなあ~。