島薗進著『宗教ってなんだろう?』平凡社、2017年。
ご本人から直接頂いた。
対象とする読者層は広い。専門家による入門書は得てして不必要に難解だったりするが、本書にはそのような欠点はない。
斜陽産業である人文学の間口を広げうる良書。売れて欲しい。
島薗進『宗教ってなんだろう?』平凡社、2017年。
鈴木正崇『山岳信仰』中公新書、2015年。
『数学的にありえない』
アダム・ファウアー『数学的にありえない』(上・下) 矢口誠訳、文春文庫、2009年。
ずっと買っておいたまま温存しておいた本を。
夏休みということで。。。。
まあ、及第点であろう。
しかし、これがデビュー作と考えると、筆力はすごい。
特に下巻に入ってからが面白い。
途中から伏線が分かってしまうが、神秘主義的な観点を加えたことが本書の成功の一端を担っている。
本書は、いわば「追われる者」ジャンルというべきか。
つまりどう追跡や罠をかわすのか、という面白さである。
それにしてもこの意味でギャビン・ライアルの『深夜プラスワン』は改めてすごいな、と思う。
それは「宝物の移動」テーマともいわれるが、同時に「追う者」でもあり「追われる者」でもある構成であるからだ。
さすがライアル!
ただ、オレが好きなのは、その前作である『もっとも危険なゲーム』である。
『神と黄金』
ウォルター・ラッセル・ミード『神と黄金』(上・下)寺下滝郎訳、青灯社、2014年。
副題には、「イギリス、アメリカはなぜ近現代世界を支配できたのか」とある。
今日届いた。
アングロ・アメリカのこの二つの国がなぜ常に勝ち組に居続けるのか、という問題意識で書かれた国際関係論・国際政治学の研究者による書だ。
とりわけ、書名からも明らかなように、そこにある宗教というファクターに重点を置いて解明しようとしている(らしい)。
この辺りは、専門領域とかぶってくるので読まなければいけない。
原著はすでにKindle版が出ている。
しかも、9月まで待てば、800円台とかで買えちゃう。
この辺りが、やはり日本の電子書籍が出遅れている観が否めないな。。。
『恐怖新聞』
言わずと知れた、つのだじろうのアレ、である。
70年代オカルト・ブームの火付け役のひとつともなったアレである。
小学生のころ『週刊少年チャンピオン』で連載を読んでいたアレである。
これ、版元かえて、Kindle版が出ていた。
スゲー。
第1巻は無料でだし、続刊も低価格だ。
まあ、夏休みということで。。。。
『魔界転生』
名古屋はすっかり雪も解けたので、ウオーキングがてら買い物へ行った。
途中立ち寄ったコンビニで発見。
石川賢の『魔界転生』である。
言わずと知れた山田風太郎原作の同名小説のコミカライズ版だ。
上下2巻のコミックとして90年代に発行されていたが、長らく絶版していたハズだ。
それが廉価版の2巻合本で手に入る。
映画化、ドラマ化など、様々なメディア展開をしている有名な作品だが、中でもこの石川版は傑作である。
後の、『ベルセルク』等、魔界ものに与えた影響は計り知れない。
まあ、石川賢だから、本作は『5000光年の虎』のように、ハルマゲドンものなのだが。
・・・・などと書きながら念のために調べてみたら、国枝史郎『神州纐纈城』も石川賢版が出ている!!
さらに『魔界転生』の続編であり、十兵衛ものの完結編である『柳生十兵衛死す』までも出てる!!
これは買い集めなければ。