貸し本作家

6月 19, 2005 under 読書

前のエントリーに書いた城戸禮。
その後、やはり読んでみたくなりいろいろと探してみた。
国会図書館には316冊のエントリーがあった。
その他、Amazon.co.jpのマーケットプレイスで発見した。
春陽堂では絶版であるが、その後、双葉社、青樹社など、版元を代えて出版されている。
春陽堂のHPもみつかった。
それで城戸禮についてもいろいろと分かった。
このような膨大な連作をなしたのは、彼が貸し本屋時代の人気作家であったからである。
貸し本屋といっても今の人たちはピンと来ないだろう。
おそらくオレなどは地方の町で貸し本屋を経験した最後の世代であろう。
昔は本が高かった(というか皆が貧しかった)ので、本を買うことが出来ず、貸し本屋という店があったのである。
一泊二日で5円とか10円とかで本を貸していたのである。
現在でいえば、マンガ喫茶やレンタルビデオ屋であろう。
いわゆる劇画の他に小説なども貸していた。
まあ、娯楽が少なかった時代でもあったのだろう。
借りられることにより、わずかの貸し賃を本屋は得るのであるが、ここでは、まったく読者主体の市場原理が働く。
つまり、面白くない作家は駆逐されるのである。
こうした貸し本屋作家として鍛えられた数々の大衆小説作家がいる。
劇画では白土三平や、小説では山本周五郎などである。
今回とりあげた城戸禮も、こうした貸し本作家として次々と読者の望むものを書き続けてきたのであろう。
それが21世紀に入った現在でも版元を代えながら命を永らえていることには、なぜか感動すら覚える。
現在、若者たちの活字離れが叫ばれているが、戦後の貧しい時代、それでも活字を読むことが娯楽であった時代が、この日本には確かにあったのである。
今回、注文したのは『拳銃刑事』と『ガッツ武装刑事』の二冊だ。
いずれもマーケットプレイスで79円。送料は各340円だから、送料の方が4倍以上高い。
まあしかし、国会図書館にまで足を運んだり、閲覧申請をしたりという労力を考えるならば圧倒的に安い買い物である。
現物が到着し、読了してから、書評を記そうと思う。
はてさて、どんな世界なのか、今からワクワクである。


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