森達也の『職業欄はエスパー』を再読した。
この作品は、9・11以降に文庫化され、その際に追記がなされている。
彼の作品の中でも、感傷的な部分が押さえられ、よく仕上がったものであると思うし、好きな作品だ。
先日、山本弘の『超能力番組を10倍楽しむ本』を読んだので、バランスをとろうとしたのかもしれない。
さて、この『職業欄~』は、フジテレビ系深夜番組「NONFIX」という枠で放映された同名作品の取材記録でもある。
だが、この番組をオレは見逃しており、ソフト化もされていないため、もう観ることはできない(その直後制作されたバラエティの方は放映を観ている)。
あきらめつつも、何とか観られないかと思っていたが、再読を終えた昨日、偶然にも見る機会を得た(シンクロニシティか?)。
数年かけた割には一時間足らずの番組なので、やはり舌足らずの感は否めないが、逆にそれが全体を軽快でさわやかな作りにしていた。
『A』よりも疾走感があって、小気味良い作品となっている。
映像を見る機会があれば、文庫版を先に読まれることをオススメする。
そしてソフト化も希望する。
オウム以降の社会分析として有名な宮台真司の『終わりなき~』も文庫化されて久しい。
こうした問題を、フェスティンガーの『認知的不協和の理論』などを使いながら、これまで講義で扱ってはきた。
宗教社会学の正統な学史的意味もあるからだ。
現代の地点からこれらを批判的に検討し、そろそろ文章化しようと思っている。