青身

DHAやEPAの抗がん作用について、愛知県がんセンターの書籍には次のような記述がある。

C. 青身魚由来の脂肪酸摂取の生体指標と大腸がんの関連
青身魚に特異的に多いエイコサペンタエン酸やドコサヘキサエン酸(DHA)は、がん細胞の増殖を促進するプロスタグランジンE2の作用を阻害するだけでなく、腫瘍細胞のアポトーシス(プログラム細胞死)を亢進して、大腸がんの危険度を抑制します。そこで中長期の青身魚摂取の生体指標である赤血球膜中のDHA濃度を測定したところ、DHA濃度の低い者と比較して、DHA濃度の高い者は大腸がんの危険度が低いことを明らかにしました。(加藤知行監修、愛知県がんセンター中央病院編『あなたを守る大腸がんベスト治療』昭和堂、2009年、57ページ)

このプロセスについての詳述は、たとえば福田一典医師によるがんの漢方治療をおこなっている「銀座東京クリニック」のサイトにもある。

DHAの抗がん作用

いわゆるω(オメガ)6不飽和脂肪酸ががんの増殖を促進させるの対して、ω3不飽和脂肪酸はそれを抑制する、というデータに基づいている。

この辺り、ゲルソン療法をはじめとする脂肪摂取を厳しく禁止・制限する療法との整合性はどのようになっているのだろうか?

『癒す心、治る力』

アンドルー・ワイル『癒す心、治る力―自発的治癒とはなにか』上野圭一訳、 角川書店、1998年。

『がんに効く生活』の次に読んだのがこの本だ。

本書から、多くの励ましと、また今後の研究上のインスピレーションをもらった。
それは「逸話的証拠(Anecdotal evidence)」への関心と体系的な収集である。

がんが両肺いっぱいにひろがり、病院から「打つ手がない」といわれた男が自宅で死を迎えるために退院した。半年後、その男が担当医の診察室に顔を出した。がんは消えていた。(中略)わたしが知っているかぎり、ほとんどの医師は一度ならずそうした経験をしているものだ。「自発的治癒」の症例である。探す気になれば、相当数の自発的治癒例がみつかるだろう。だが、それを探そうとする医学研究者はほとんどいない。大部分の医師にとって体験談は体験談でしかなく、それがまともにとりあげられることも研究されることもなく、からだがからだ自身を修復してゆく隠された能力にかんする貴重な情報源として注目されることもない。(11-12ページ)

原書には著者の顔写真が・・・。

顔写真はちょっと怪しい(笑)が、本書の内容は医師の立場から書かれており、興味深い。

人間の身体には治癒系が存在し、その系に積極的に働きかけ、活性化させることができるとする。
医療は、その治癒系を手助けするものであるということだろう。

アスクレピオス派はトリートメント(治療)に関心をもち、ヒュギエイア派ヒーリング(治癒)に関心をもつ。治療は外部からほどこし、治癒は内部から起こる。「ヒーリング」ということばの文字通りの意味は「ひとつの全体にすること」であり、まったき状態バランスとを回復することである。(16ページ)

『がんに効く生活』

ダヴィド・S. シュレベール 『がんに効く生活―克服した医師の自分でできる「統合医療」』 渡邊 昌・山本 知子訳、日本放送出版協会、2009年。

ガン告知をうけた後、最初に読んだ本。

著者自ら悪性脳腫瘍に侵され、その経験を語っており、それは同じく告知を受けた者として心に沁み込むように深く共感できた。

私は横になり、天井を見つめた。こんなふうに人生が終わってしまうなんて、絶対におかしい。考えられない。たった今知った事実と、これまで何年もかけて自分が積み上げてきたものとのあいだに、こんなにも大きな溝があったとは・・・。長いレースになるとしてもいつか必ず意味のある成果を得られると信じて努力してきた。そして、ようやく人々の役に立つものをつくりだしていると実感していたのに・・・・。せっかくつらい時期から抜け出したところだったのに・・・。これまで、知識を深め、キャリアを積むために多くの犠牲を払い、多くのものを投資してきた。ところが突然、この先に未来がまったくないかもしれないという状況に突き落とされたのだ。(ダヴィド・S. シュレベール 『がんに効く生活―克服した医師の自分でできる「統合医療」』 渡邊 昌・山本 知子訳、日本放送出版協会、2009年、25ページ)

この本によって励まされ、ガンと闘おうと決心することができた。

記述も公平で、トンデモ系ではなく、好感のもてる良書である。

私たちは誰でも、体の中に眠っているがん細胞をもっている。どんな生物でも、体内で不完全な細胞をつくりつづけている。人間も同じだ。そしてその不完全な細胞から腫瘍が生まれる。しかし人間の体には、腫瘍の存在を探知し、その成長を抑えることができるさまざまなメカニズムが備わっている。欧米では四人に一人ががんで死ぬ。裏返せば、四人に三人はがんでは死なない。四人に三人は、自己防衛のメカニズムががんを抑えこむことができるからだ。(ダヴィド・S. シュレベール 『がんに効く生活―克服した医師の自分でできる「統合医療」』 渡邊 昌・山本 知子訳、日本放送出版協会、2009年、11ページ)

こちらは原書。

2009年にはNewEditionが出ている。
Amazon.comの紹介ページでは、著者の映像を観ることができる。

こちらである

http://www.amazon.com/Anticancer-New-Way-Life/dp/0670021644/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1302604274&sr=8-1

洞窟

クリニック到着後、着替えをする。
下着は外し、不織布でできたパンツに履き替える。
エステなどで履かされるやつだ。
ただ、これはお尻側に穴が空いている。
ここから内視鏡を入れるのだろう。

その後、軽い睡眠薬なのか、看護師いわく「ぼぅ・・・」とする薬なるものの点滴を受けながら、検査に臨む。

クリニックの医師が内視鏡を操作する。
すでにモニタには電源が入っている。
左を下に横になり、膝を曲げる体勢をとるように言われる。
麻酔効果のあるゼリー状のものが肛門に塗られ、ほとんど意識しないうちに内視鏡がスルっと挿入された。

大腸内視鏡は正確には大腸ファイバースコープというらしい。
炭酸ガスがスコープから注入され、腸管は膨らまされている。

肛門部から入った内視鏡の先端についてているカメラがオレの腸管の内部を映し出す。
そのモニタ映像を俺も観ながら検査が進んでいく。

映画「インナースペース」で観たような、身体内部の世界が映し出されていった。
腸管は基本的にはきれいな淡いピンク色だ。
あえて表現するならそこはヒダのあるピンク色の洞窟のような場所だった。
そこをスコープは次々に進んでゆく。
担当医は慣れた手つきでどんどん進んでいったが、一瞬だけ手が止まる。
何かを発見したのだ。
それは素人の目にもはっきりとわかる隆起。
ポリープだ。

ポリープはもともと「キノコ状の隆起」という意味だそうだ。
言葉どおりに洞窟の斜面、襞に影にキノコのようなものがあるのが映し出されている。

医師は再びスコープを動かし始める。
大まかな場所を覚えておき、細かい診察は後にして、今は先に進むとのことだ。
なにしろ大腸は1.7メートルあるという。
しばらく、滞ることなくスコープは進んでいく。
S状結腸をくぐり抜け、横行結腸を通り過ぎ、盲腸を越えてゆく。

やがて終点に達した。
小腸の入り口である。
その先にはスコープは入り込めない。

これは後で調べたことだが、上部消化管(食道、胃、十二指腸まで)は胃部内視鏡、いわゆる胃カメラによって検査することができる。
また、肛門から直腸、結腸は大腸内視鏡によって検査することができる。
しかし、小腸へはいずれも入り込めない。
細く、きわめて複雑な形状をしているからだ。
ここへ入り込めるのは現時点ではカプセル型の小型カメラだけなのだそうだ。
これはカプセル型の小型カメラを飲み込み、それは消化管の中で自動的に撮影を続け、やがて肛門から排出される。
それを回収して、画像データを取り出す、というものだ。
だから、まだまだ小腸の中は未知の世界なのである。

ともあれ、小腸の入り口が行き止まりになるので、今度はゆっくりと後退してゆく。
その過程でポリープの有無を確認してゆくのだ。
(続く)

洗浄

5日後。
前日の夜9時以降から食事をとらず、就寝前に緩下剤を飲む。
これは液体で10ccぐらいか。
効き目があるのかどうか分からず、就寝中も、そして翌朝になっても便意はなかった。

もちろん朝食はとらず、大量の下剤の登場だ。
経口腸管洗浄剤というらしい。

点滴バッグのようなプラスティックの袋状の容器に、粉末が入っており、これを約2リットルの水で溶かして飲むのだ。
ポカリスエットなどのスポーツ飲料の粉末のようなものだ。
ちなみに味も似ている。
薬剤名はムーベンだった。
画像はこちら。
http://www.nihon-pharm.co.jp/medical/housou/H200412_01-Muben.pdf

最初はアレルギーや拒絶反応の有無を確認するために15分間でコップ一杯程度を飲んでみる。
異常がなければ、その後は大体、5分にコップ一杯の割合で飲んでゆく。
飲み始めて1時間ぐらいから便意を感じるようになる。

この便意であるが、通常の下痢の時のような腹痛はまったくない。
ただ、便意を感じ、トイレで座ると、特に痛みも何もなく機械的に排泄される。
まさに洗浄といった感じで、2時間ぐらい経つと、腸管が完全に洗浄され、便は薄いレモン色の透明な液体のみとなる。
腹痛はまったくなかった。
ただ、薬剤をミネラルウォーターで溶かして飲んだので、身体が冷えて寒かった。
ぬるま湯とかの方がよかったかも。
(次回へつづく)

出血

先々週からひいた風邪が治らず、体調悪し。

便に出血もあった。

出血は数年前から時たまあった。
便表面に、こすれたような感じでわずかに血液らしきものが付着していることが多かった。
しかし、研究者という座業の多い仕事のため、また、昨年から名古屋東京間の長時間ドライブなどをする機会も増えたため、ずっと痔ではないかと思っていた。

忙しさもあり、また肛門科というとなかなか診察を受ける覚悟ができなかったが、今の体調不良が風邪ではなく、痔などの疾患からなんらかの感染症になっているという可能性もあるので、原因を探るべく診察を受けに行った。
東京での滞在先である知人宅からも近い巣鴨大腸肛門クリニックへ行った。

診察の結果、きわめて軽度の痔かもしれないが、ほとんど異状なしであった。
肛門部から出血しているとは考えられない、とのこと。
しかし、出血があることは自分がよく知っているので、そのことを伝えると、大腸内視鏡検査を受けてみませんか、とのこと。
触診と、肛門鏡のみの診察では肛門から10センチぐらいまでしか見ることはできない、ということらしい。
原因究明が目的なので、さっそく同意し、予約する。
週末、11月27日(土)に予約の空きがあり、その日に決める。
5日後である。

看護師より大腸内視鏡検査を受けるにあたっての注意事項などの説明を受け、同意書に署名をする。
緩下剤(下剤)を2種類出される。
前日の夜用と当日の朝用だ。
朝用は2リットルの水で薄めたものを約2時間かけて飲むということだった。

その他、この日は痔疾用の注入軟膏の処方が一応出された。
帰りがてら、巣鴨駅前のフクロ薬局で薬を購入した。


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